こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。
8月12日、四国電力の伊方原発3号機が再稼働の予定です。

四国、中国地方、九州で、伊方を巡る裁判中

東京電力福島原発事故の後にできた新規制基準のもとでは、九州電力の川内原発と関西電力の高浜原発に次いで3つ目の再稼働。

川内原発は、この8月中にも新知事が停止を求めるそうです。
高浜原発は、裁判所の命令で停止中。
実はこの伊方原発でも裁判が進行中です。
四国の住民のみなさんが、東京電力福島原発事故が始まった年の12月に、差し止めを求めて松山地裁に提訴しています。
そして、再稼働が差し迫っている今、(ふつうの裁判では何年もかかるので)緊急としてやはり四国のみなさんが、仮処分裁判を起こして、差し止めを求めています。
また、対岸の広島、大分でも、仮処分裁判をしています。

わたしは、裁判に、とっても期待しています。なぜなら、伊方原発を止めるべき理由が、とてもはっきりしているから。

地震のリスクは日本一かもしれない程だし、日本で(もしかしたら世界でも)唯一、内海に位置していて、過酷事故が起きれば瀬戸内海は終わってしまうかもしれないし、半島の付け根という立地は、住民の避難を不可能にしていますし、使われるのはウラン燃料よりもキケンなプルトニウム燃料です。

伊方原発を止めるべき5つの理由

1. 地震のリスクは日本一?


伊方原発は北に日本最大級の断層系である中央構造線、南に、活発で大規模な地震発生源の南海トラフが走っており、地震国日本の原発の中でも大地震に襲われる可能性の高い原発です。

南海トラフ巨大地震により四国の火力発電所が全て津波で長期停止する可能性が指摘されています。

伊方原発の非常用発電機が動かなかったり、燃料が切れたりすれば、全電源喪失という東電福島原発事故でみたことが繰り返される可能性があります。
詳しくは 原発四国さよならネットワーク のHPをご覧ください。

2. 放射能が瀬戸内海にたまり続ける


伊方原発は、日本で唯一、内海に面している原発です。
事故で放射能が漏れれば瀬戸内海が汚染されますが、この海域の水は数年間、入れ換わりません。そのため、汚染が長く瀬戸内海に留まり続けるでしょう。

東電福島原発事故と同規模の事故シミュレーションを行い、瀬戸内海の海洋環境への被害予測を策定し、公開すべきです。

3. 逃げられない


伊方原発は愛媛県の佐田岬半島の入り口にあります。
半島側の住民5000人は原発に向かって逃げられないばかりか、大津波であれば船で避難することもできません。
地元で暮らす方は「『最悪』を想定したら、死を待つしかないじゃないか」と毎日新聞の取材に答えています。

避難計画については、住民参加の上で作成し、中立の機関が審査すべきです。

4. 事故リスクが拡大するプルトニウムMOX燃料

伊方原発で使用予定のプルトニウム入りの燃料は、原発のブレーキを効きにくくさせるため、事故のリスクを拡大させます。

原子力規制委員会は、プルトニウムMOX燃料使用はすでに許可済みという立場ですが、それは東電福島原発事故以前のこと。

再評価が必要です。

また事故を起こさずに使い終わっても、使用済み核燃料の持って行き場がありません。

長く原発の敷地内に置かれることになります。
使用済み核燃料の保管中も過酷事故が起こり得ることは、福島原発事故が教えてくれました。

5. 巨大噴火の危険も


(四国電力の資料より)

毎日新聞の火山学者アンケートに答えた50人のうち、11人が「巨大噴火のリスクを受ける原発」として伊方原発をあげています。(2013年12月22日記事)

原子力規制委員会の審査は、「火山影響審査ガイド」を基にしていますが、火山学者はこのガイドを「不十分」と批判しています。

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(このブログは、2015年5/20のブログを加筆修正したものです。)

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