こんにちは。食と農業担当の関根です。
皆さんのパブコメ意見で3月に解禁がとまった新しいネオニコ。この写真はその全パブコメです。農業や食、そしてミツバチを守りたい、というひとりひとりの熱い思いが綴られています。 

そんな市民の熱意を受けて、いま国会でもミツバチや、ネオニコのことが取り上げられています。
今回紹介するのは、参議院の農林水産委員会(3月10日)の様子。理事の小川勝也議員による質問や議論からピックアップします。(*1)
 

【ネオニコの解禁はおかしい】

小川議員「アメリカで安全性が確認できていないから使用禁止になったものを日本で使わせろというのは変な話だと思います」
 (グリーンピースのコメント)解禁は保留になったけれど、まだ却下になったわけではないので、国会議員からのこうした強い問題提起は、とっても大事。

 
小川議員「ネオニコチノイド系農薬がハチに非常に影響があるということは様々な知見がもう出ています。野生のハチは環境省、養蜂は農水省が担当。科学的な知見の把握の状況は?」
環境省の答え:農薬による野生ミツバチや、水域生態系の重要な指標であるトンボについて調査しています。
農水省の答え:水田でカメムシ退治に使う殺虫剤(注:ネオニコのこと)がミツバチ被害の原因と考えられ、その時期に“巣箱を置かない”よう養蜂家に情報共有を図っています。
(グリーンピースのコメント) 実は、この農水省の、“巣箱を置かない”(どかす)ように養蜂家に伝えるするという対策は、養蜂家の負担を大きくするばかりで、効果が上がっていません。

 

[写真:質問する小川勝也参議院議員 参議院3月10日農林水産委員会 ビデオより]

 

【ハチたちの授粉による経済効果は大事】

最新の、授粉の経済的な価値についても取り上げられました。
小川議員「農業生産額5兆7000億円の約8.3%、4,700億円が、ハチなどの昆虫の授粉による価値だと言われています*2。ハチを大事にしていただきたい」
(そのうち、野生のハチが生み出す価値は約2/3なので、)
小川議員「養蜂者に通報するというのは1/3に対する施策でしかありません。今まで相当ネオニコチノイド系農薬と蜜蜂に関しては知見がそろってきているので、なるべく使わない方がいいと思います。」

[写真:知ってますか?ハチたちが来ないとイチゴはイチゴの形にさえなれないこと]
 

【ネオニコを規制するのは大臣の責任】

この日、もっとも重要だったのは、法律的な観点からも、ネオニコは規制をしなければいけない状況にあることや、規制の責任は大臣にあることが確認された点です。
小川議員「法律には、農薬を使用するときは、危険防止方法を講じた場合においてもなお人畜に危険を及ぼすおそれがあるときに、農林水産大臣が保留をしたり品質の改良を指示することをできると書いてあります。」「ミツバチはこの“人畜”の畜に含まれますか?」(農水省の答え:「入っております」)

 

[写真:答弁する森山裕農林水産大臣 参議院3月10日農林水産委員会 ビデオより]
小川議員 「この責任の所在は、農薬取締法に書いてあるとおり、農林水産大臣にあるのです。ですから、農業生産が大事だと思う農林水産大臣は、ハチも大事だし、しっかりと判断をしていただきたいと私はお願いをする次第であります。」
農水大臣の答え 「ただいまの御意見をしっかり受け止めさせていただいて、間違いのない判断をさせていただきたいと思います。」
 
大臣が間違いなくミツバチや環境を守ってくれるよう、私たちも意見を伝え、しっかり見ていきましょう。

国会での動きがでている今、あなたの力が必要です。

 

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 1  参議院農林水産委員会3月10日議事録より
 2  2016年2月4日農林水産省所管法人の農業環境技術研究所プレスリリース農作物の花を訪れる昆虫がもたらす豊かな実り -日本の農業における送粉サービスの経済価値を評価-

 

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