こんにちは、グリーンピース・ジャパン、エネルギー担当の柏木です。
いま、イギリスではエコ住宅がブーム。今回は、英国のグリーンピースが書いたおもしろい記事をみなさんにご紹介します!
日本でもぜひまねしたい、最新のエコ住宅。あなたはどんなエコ住宅に住んでみたいですか?
_______________________________

イギリスでは、家庭から排出される温室効果ガスが全体の3分の1を占めています。
2050年までにCO2排出量80%減をめざすイギリスにとって、エコ住宅を増やす事は、今後の重要な課題です。
建築やデザイン業界では、サステナビリティは、まさにいまホットなトレンド。実際に、世界中の建築会社を対象に行った調査では、約半数が自社が手がける新築住宅にエコ設備を取り入れていると答えているんです。
エコ住宅は、地球環境だけでなく、私たちの健康にもよい影響があることを示す研究もあります。喘息など呼吸器系疾患のリスクが減ることもわかっており、より健康で心地よい生活ができるようになります。
人々と地球の両方にグッドなエコ住宅を5つ、ご紹介します。

1. グリーンルーフ(みどりの屋根)


季節の草花や、あるいは食用のハーブなど、屋上全部がのびのびと育つ植物で覆い尽くされているのを、見た事がありませんか?
そういった建物の多くは、学校や街中にある公共のビルだったりしますが、実は家庭の屋根もグリーンルーフにすることができるのです。
なにも難しいことはありません。イギリスでは特別な許可も要りませんし、新築でも古い家屋でも大丈夫です。
見た目の美しさはもちろん、屋根の緑化には、2つの魅力が。
まず、夏の強い日差しや紫外線を遮り、室内温度を快適に保ってくれます。結果的に二酸化炭素の排出量を抑える事につながります。
さらには、小さな虫や生き物達の集まってくる、都会の中のささやかな楽園をつくることができます。

2.タイニーハウス

アメリカで大きな流行となっている「タイニーハウス」=小さな住宅が、イギリスでも人気が高まっています。
奇抜な形も多いタイニーハウスですが、ほとんどは木造で、トラックで簡単に移動できるのも特徴の一つです。
サステナビリティやコスト面を考えて住みはじめてみたら、シンプルな生活やダウンサイズした住宅に新たに幸せを見出したという人も多いようです。
住宅危機で、多くの人が持ち家を手に入れることは難しくなっているなか、タイニーハウスは魅力的な選択肢。実際に、「タイニーライフ」をオススメする人たちは、タイニーハウスの住人は一般の人に比べて家計が安定していて、貯蓄も多いと主張しています。

それに床面積が小さいと、エネルギー消費も物も少なくなるので、もちろん環境にやさしくなります。

3. 住まい=電力発電所

住宅向けの小さな自然エネルギー発電自体は目新しいものではなくなりましたが、ソーラー発電のコストは急激に下がってきており、そのおかげでソーラーパネルの設置を考える人は増えています。実際、この5年間でパネル価格は8割も下がっています。(リンクは英語記事)
デザインや外観も通常の瓦に見えるものや、Solcer House(リンクは英語記事)という低コスト・二酸化炭素排出ゼロ住宅に使われているような、自然光を通すものまで、選択の幅も広がっています。
もちろん、風力や水力(庭に小川が流れていればの話ですが)など、ほかの自然エネルギーも住宅の電力源として利用できます。
オランダでは175メートルもあるthe Dutch Windwheelオランダ風車(リンクは英・蘭語記事)と名付けられた斬新な住宅兼発電所というアイディアも登場!なんとアパートとジェットコースターも兼ねています。これは行ってみたいですね。

4. Co-housing(コーポラティブハウス)

共同生活で資源も共有すれば、環境にはやさしいです。でも自分だけのスペースもほしいですよね。
そのどちらも兼ね備えたのがコーポラティブハウスです。みんなが集まれる場所や仕事場、庭などの共有スペースを取り囲むように、個別の住宅を配置するスタイルで、イギリスでは現在、サセックス州にあるLaughton Lodge(リンクは英語記事)など、18カ所のコーポラティブハウスプロジェクトがあり、さらに60カ所が計画中です。
プロジェクトの運営やメンテナンスなどの作業は住民が協力して行うことになっています。
場所によっては、小規模な自然エネルギー発電を導入したり、交通手段を共有してCO2の排出を減らしたり、野菜を一緒に栽培したりするなど、さまざまな共同プロジェクトに取り組んでいます。
また、孤独化を防ぐという社会的な利点も。イギリスで行ったアンケートによると、近所の人を知らないという人が約半数にも上り(リンクは英語記事)、国の3分の1が一人暮らしです。
孤独を抱える労働人口が鬱になる確率は、そうでない人に比べ80%も高いとされます。

5. パッシブデザイン

自然エネルギーの活用はもちろんですが、消費エネルギーを減らせばCO2排出量も削減できます。
パッシブデザインとは、建物の配置や、日陰の作り方、換気、断熱の工夫といった建築面での工夫によって、冷暖房に使うエネルギーの削減をめざしたデザインのこと。
暑い地域では常に冷房のきいた空間にいるのが不快なため、特にパッシブデザインの人気が高まっています。

その例がフィリピンにあるこのアパート(リンクは英語記事)で、3階ごとに屋外パティオを配置することで、建物全体が自然に涼しく保たれています。

今すぐにはご自宅をエコに変えることはできませんが、使う電気や水の量を減らす、なるべくゴミを出さない、など、毎日のちょっとした心がけを大切にしたいですね。
そして、4月1日からの電力自由化では、ご自宅で地球に優しい電気を選べるようになります。化石燃料や原発由来の電気ではなくて、太陽や風、地熱の力で生まれた電気に、あなたも乗り換えませんか?
オンラインアクションiSwitchに参加してくれた方には、電力会社選びと乗り換えをサポート。あなたも、乗り換えの波を大きくして、「エコな電気を使うのが当たり前!」という社会にしていきませんか?

このアクションに参加して、周りに広めてくださった方には、『電力会社クリーン乗り換えガイド』を無料でお届けします。このガイドは、みなさんが納得して電力会社を選べるように、みなさんが「知りたい!」と思うこと、「不安だな…」と感じていることを解決するために、グリーンピースが独自に電力会社にアンケート調査してつくるもの。電力自由化と電力会社選びの知りたい情報満載でお届けします。
このブログの元記事

関連記事を読む

省エネの大きな効果:原発◯基分

グリーンピースも予測不能だったソーラーの急成長

世界の主役、日本では脇役?

原発政策の数字マジック・・?

原発を再稼働したら、電気料金が安くなる?

無責任な計画、進捗中・・

原発事故から5年。分岐点にさしかかる日本のエネルギー

グリーンピース・ジャパン

ライターについて

グリーンピース・ジャパン
グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。世界中の300万人以上の人々からの寄付に支えられ、企業や政府、一般の人々により良い代替策を求める活動を行っています。ぜひ私たちと一緒に、行動してください。

Comments

あなたの返答を残す