こんにちは、エネルギー担当の柏木です。
グリーンピース・イギリスがエネルギー関係の記事を投稿している「エナジーデスク」に、すてきな未来を期待させる記事を発見!
今日は、その記事をご紹介します。
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いま電気の世界で、革命的なことが起きています。
ソーラーパネルやバッテリーの技術が向上し、より手頃な価格で、しかも発電効率も向上、家庭での発電・蓄電もぐんと身近になっていますよね。
このような技術によって、電気を消費する場所だった家庭が、「節電所・発電所」に変わってきています。家庭でつくった電気を売ったり、電気を必要としている人とシェアできるようになっています。

実は、こんな電気の売り買いをスマートフォンアプリでできるサービスが、世界中で流行の兆しを見せています!
今回はそんな、お金もエネルギーもセーブするスマートフォンアプリを5つご紹介します。

 

1)オームコネクト:1週間に数時間のスイッチオフでお小遣い稼ぎ

オームコネクトは、節電をお小遣いに変えることができるエネルギーアプリ。カリフォルニアのベンチャー企業が開発しました。
このアプリは、電力会社から電気を買っている人のためにつくられたもので、アプリからの通知に従って、30分ほどあなたの家にある電気製品の電気を切ったりするだけでちょっとした収入にすることができます。2~3個の照明のスイッチをオフにするくらい簡単にできるものです。
年間300ドル以上の収入が可能なだけでなく、何トンものCO2排出を削減したという満足感を得ることもできます。
くわしくは、こちらのブログ(リンクは英語記事)をご覧ください。

2)ソンネンコミュニティ: 発電所なしの電力会社

去年、ソンネンバッテリーというドイツの会社が、テスラ社のバッテリーのライバルとなる家庭用蓄電池を発売しました。
ソンネンバッテリーは、あっという間に、米国の小売市場でテスラ社を打ち負かしています。(リンクは英語記事)
大きな魅力は、太陽電池、インバータ、制御技術と、リチウムバッテリーをフルパッケージで購入できること。しかも値段は、10,000ユーロ程度(それほど大きいバッテリーではありませんが、それぞれを別々に買うより安いのです)。
さらに同社はソンネンコミュニティ(リンクは英語記事)と呼ばれるバーチャルコミュニティをスタート。
ソンネンバッテリーと太陽光パネルを利用する人のためのコミュニティで、余った太陽光発電の電気をやり取りすることができます。
それぞれの利用者が、ソフトウェアで太陽光発電からどれくらい電気を送電線に供給しているか確認して、他の人に電気を売ることができるのです。

同社のマルティン・ブロック氏は、こう話しています。

「わたしたちは、発電所を持たない電力会社のようなものです。わたしたちには、数千もの小さな、各地に分散した、デジタルでつながった発電者・消費者たちがいます。これまでの電力会社が持っていたような化石燃料や原発などの中央集権的な発電所は、もう必要ありません」

3)ローカルボルト:誰でもが電気の供給者になれる

同じ仕組みで、オーストラリアで使われ始めているのが「ローカルボルト」。オーストラリアで使われ始めたテスラホームバッテリーを活かして、余った電力を取引するシステムです。
このアプリを運営するベンチャー企業のジタンドラ・トマル氏(リンクは英語記事)は「誰でも、どこに住んでいようと、大規模でも小規模でも、学校だってテニスクラブだってどんな施設でも、電気をつくって売ることができる」と言っています。
このシステムは、どこからエネルギーを買いたいのかも選べます。もちろん、価格によりますが、例えば、地域で太陽光発電をしている高校を支援したい、と思えばその高校からエネルギーを購入することができるんです。

4)エンテリゴ:家庭用ソーラー発電のセールスマンを応援

イタリア人3人によるアムステルダムを拠点としたこのベンチャー企業「エンテリゴ」は、自然エネルギーによる自家発電のセールスを助けるアプリを生み出しました。
スマートフォンアプリ「エンテリゴプロ」は、太陽光の発電設備の技術を販売する際、パネルや取り付けの費用がどれくらいになるかを、さっとお客さんの前で算出することができます。
グラフなどのシンプルで見やすいデータで、お金と温室効果ガスをどれだけ節約できるのかをお客さんに見せたり、セールス提案書をつくったりして(リンクは英語記事)、その場で契約を取り付ける事ができるものです。
最終的に同社がめざしているのは、家庭向けのエネルギー関連サービスを提供する会社のネットワークをつくること。
そうしたネットワークがあれば、地域のソーラーパネルメーカー、設置会社などとリアルタイムでやり取りすることで、セールスパーソンはお客さんにさまざまなサービスを組合わせた最低料金を提示できるようになります。 

5)Google「プロジェクト・サンルーフ」:GoogleMapで太陽光発電の可能性

エネルギー関連のアプリの中では、すでに多くの人が知る古株のアプリ。
郵便番号を入れるだけで、太陽光発電を使って、あなたの家の屋根でどれだけの電気を発電できるか一瞬で見積もることができます。
2015年夏、Googleのホーム、カリフォルニア州で始まったこの「プロジェクト・サンルーフ」はすでにアメリカ全域の多くの都市で利用されています。
Google社によるサービスなので、他のサービスよりも、ずっと早く国際的にも使えるようになるでしょう。
そして、プロジェクト・サンルーフの展開によって、すでに紹介したようなエネルギー関連アプリの効果も増大するはずです。
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技術の発展とともに、世界中で、自家発電が広がっていますね。誰の自宅の屋根も発電所に…!そんな日常も、遠からずやってきそうで、ワクワクします!
とはいえ、すぐに自宅の屋根に太陽光パネルを設置するのは難しいもの。まずは、電力自由化で、自宅の電気を自然エネルギーの電力会社に乗り換えませんか?
オンラインアクションiSwitchに参加してくれた方には、電力会社選びと乗り換えをサポート。あなたも、乗り換えの波を大きくして、「エコな電気を使うのが当たり前!」という社会にしていきませんか?
参加は簡単。あなたのお名前やメールアドレスなどを入力するだけで完了です。

このアクションに参加して、周りに広めてくださった方には、『電力会社クリーン乗り換えガイド』を無料でお届けします。このガイドは、みなさんが納得して電力会社を選べるように、みなさんが「知りたい!」と思うこと、「不安だな…」と感じていることを解決するために、グリーンピースが独自に電力会社にアンケート調査してつくるもの。電力自由化と電力会社選びの知りたい情報満載でお届けします。
このブログは、特定のスマートフォンアプリやサービスを推奨するものではありません。他にもたくさんのアプリがありますし、さらに良いもの・おもしろいものもあるかもしれません。もし知っていたら、教えてくださいね!
本ブログの原文(英語記事)
 
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