こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。

司法も頑張ってる。市民もパブコメで応援!

司法のチカラってすごいですね。

裁判所の命令で、関西電力高浜原発3,4号機の運転が止まり、今、日本で動いている原発は、九州の川内原発だけになりました。(その川内原発も差し止め仮処分裁判中…)

その高浜原発3,4号機よりももっと古いのが、高浜原発1,2号機。

こちらも4月14日に、運転の許可をしないことを求めての裁判が始まります。

原告になったり、寄付したり、応援のカタチはいろいろありますが、パブコメを出すこともその一つ。

 

グリーンピースも以下の意見を出しました。

高浜原発1,2号機の再稼働審査を中止してください。

意見

日本が原子力を商業利用するようになって40年以上が経つ。いま、日本の電力会社は原発の老朽化という深刻な問題を抱えている。

もちろん、高浜原発1,2号機はいずれも運転年数40年を超えた老朽原発だ。

しかし老朽化の問題については、今回の審査書案では取り上げられていない。

東京電力福島第一原発を含め、日本の原発の深刻な事故は老朽原発で起きてきた。高浜原発1,2号機で、老朽化については別の審査というやり方は適切とは言えない。

大津地裁は、関西電力高浜原発3,4号機の差し止め仮処分決定で、原子力規制の欠陥を指摘した。これは高浜原発1,2号機に当てはまる。より古い原発に設置許可を与えるならば、原子力規制委員会は、本質的な安全性について目をつぶっているということに他ならない。

グリーンピースが、憂慮する点は以下の通り。

-老朽化した原発では、長い間中性子を浴びることによる損傷が生じる。

-コンクリート構造物の劣化も、とくに海水の影響を受ける日本では重要である。

-高浜原発1,2号機の設計は1960年代になされ、建設は1970年代初頭だ。耐震性や地震の発生について、最新の知見に照らした場合、安全性を確保できる証拠はない。

-ケーブル分離の問題は新規制基準を適合しているという実際の確認はとれていない(書類審査に依存している)

高浜原発1,2号機の審査が急いで行なわれているのは、明らかに、7月7日の老朽化審査締め切りに間に合わせるためであろう。それは安全性の確保とは相容れない。

これらの理由により、原子力規制委員会に、高浜原発1,2号機の再稼働審査の中止を求める。

以上

 

…募集するのは「審査書案」に対する「科学的・技術的なご意見」とありますが、ふつうに意見を出しましょう。

パブコメには、こんな効果も。

パブコメは出しても反映されないからなぁ、という方、ちょっと待って。

こんな効果もあります↓

  • 直接国の規制を司る原子力規制委員にあなたの意見を読んでもらえる
  • 公開されるので、問題点を共有でき、より明らかにできる
  • 「反対意見が多数」などと報道されたりして、世論づくりにもなる

あなたが出せば、かならず、一通増えます。ぜひ。

 

 


 パブコメの出し方 3通り

 政府のウェブのフォームから 

こちらのサイトに行き、下までスクロールして、下のほうにある黒色の「意見提出フォーム へ」ボタンをクリックして出てくる、フォームにご記入ください。2000文字まで、となっていますが何通でも出せますので、2000文字を超える場合は、何回かに分けて提出してください。

 

FAXで 

こちらのサイトに掲載されている「意見提出用紙」をダウンロードし記入、または、この用紙の要領でワープロ書きなどしたものを 03-5114-2179 (原子力規制庁)へFAXしてください。

 

 郵送で 上記の「意見提出用紙」に記入、または、この用紙の要領でワープロ書きなどしたものを、下記へ送ってください。

〒106-8450 東京都港区六本木1-9-9 六本木ファーストビル

原子力規制庁 原子力規制部安全規制管理官(PWR担当) 宛て

 

【締切】 2016年3月25日(金)(郵送は25日必着、FAX、ウェブフォームは日付が変わる夜中の12時より前に十分に余裕をもって出してください)

「審査書案」はこちらのサイトの「関連情報」からダウンロードできます。


さて、なんて書こう?

審査書案は389ページ。地震や津波の想定や、事故対策についての審査結果が書かれています。

389ページ?と、ひいたあなたに朗報です。

実は、高浜原発3,4号機のパブコメに書いたことが、ほとんどあてはまります!

前回出した方は、前回の文章をブラッシュアップして提出してはいかがでしょうか?

「原子力規制を監視する市民の会」のパブコメのタネも参考になります。 

 

 

ぜひ、あなたも一通!お願いします。

グリーンピースも以下も含め、書きます。

 

該当箇所ページ番号P1(審査書の位置づけ)

意見

 

1) 審査を中止してください。

東京電力福島第一原発を含め、日本の原発の深刻な事故は老朽原発で起きてきました。高浜原発1,2号機で、老朽化については別の審査というやり方は適切とは言えません。

 

2)パブコメは公開し、検討し、考慮して、規制に生かしてください。

パブコメの目的は、国民の権利利益の保護です(総務省運営WEBサイトより)。そのためには、プロセスも含めて公開し、検討し、考慮して、規制に生かすべきです。九州電力の川内原発のパブコメについての会議の中で、大島原子力規制委員(当時)は、パブコメの中にはとりあげられるべき意見があるとして、「形式的なものに終わってはならない」「フォローアップをしていくことが必要」と意見を述べています。形式的なものにしないために、別途パブリックコメント応募者を招いて意見聴取をする、フォローアップ会合を持つなど、具体的なしくみを作ってください。

 

3) 東京電力福島第一原発事故の原因究明と事故の収束を優先してください。

本審査書案では、その位置づけについて、原子炉等規制法の規定に適合しているかどうかを確認したとしています。そして審査書は、事実上、立地自治体などにとって、再稼働合意への重要な手続きの一つとなっています。

東京電力福島第一原発事故について、田中俊一原子力規制委員長は記者会見で「ある程度の原因究明はできている」述べていますが、例えば、地震が原因である可能性の検証は行われていません。
原子力規制委員会は、事故原因の究明と何よりも事故の収束こそ、最優先で取り組むべきです。

  

4)工事計画認可こそ、パブリックコメントを募集してください。

耐震や、重大事故への対策について、審査書案では多くの場合、方針の確認がされているのみ。その方針が工事計画や実際の施工に適切に反映されているかが、重要です。工事計画認可こそ、パブリックコメントを募集してください。

 

5)高浜3,4号機に対する大津地裁の決定を精査し、規制強化に生かしてください。
大津地裁・決定理由要旨は「過酷事故対策について設計思想や、外部電源に依拠する緊急時の対応方法に関する問題点、耐震性能決定における基準地震動策定に関する問題点について危惧すべき点があり、津波対策や避難計画についても疑問が残る」としています。これはそのまま高浜1,2号機にもあてはまります。
原子力規制委員会は、従来は、裁判所の判断を審査とは別に考えているようですが、原子力規制委員会の組織理念には「国内外の多様な意見に耳を傾け、孤立と独善を戒める」とあります。ぜひ、大津地裁の決定を原子力規制委員会で精査し、規制強化に生かしてださい。

  

6)避難計画を審査項目に加えてください。

日本では、内閣府が防災・避難計画について担当しており、立地自治体・周辺自治体が策定しています。しかし、各地で住民や報道機関などが指摘しているように、現状の防災・避難計画には実効性がともなっていません。たとえば、アメリカでは、原子力規制委員会は、避難計画にも責任を持ち、検討し、不十分な場合には原子炉を停止させる権限もあります。日本でも、防災・避難計画を審査項目に加え、実効性がない場合には再稼働させないようにすべきです。

 


参考情報

● 高浜原発3,4号機差し止め決定関連資料

決定理由要旨(福井新聞より)

福井原発訴訟(滋賀)弁護団による声明

脱原発弁護団全国連絡会による声明

 

● その場でかけるワークショップ

パブコメ・ワークショップ 高浜1・2号機 40年超え老朽原発の運転にノーを!(3/22)主催:原子力規制を監視する市民の会/FoE Japan/福島老朽原発を考える会

● 参考になるサイト

原子力市民委員会 

原子力規制を監視する会 パブコメのタネ

美浜の会 


● パブコメの事例

兵庫県保険医協会提出のパブリックコメント

高浜原発3, 4 号 に寄せられたパブリックコメント

グリーンピースの提出するパブリックコメント

日本が原子力を商業利用するようになって40年以上が経つ。いま、日本の電力会社は原発の老朽化という深刻な問題を抱えている。

もちろん、高浜原発1,2号機はいずれも運転年数40年を超えた老朽原発だ。

しかし老朽化の問題については、今回の審査書案では取り上げられていない。

東京電力福島第一原発を含め、日本の原発の深刻な事故は老朽原発で起きてきた。高浜原発1,2号機で、老朽化については別の審査というやり方は適切とは言えない。

大津地裁は、関西電力高浜原発3,4号機の差し止め仮処分決定で、原子力規制の欠陥を指摘した。これは高浜原発1,2号機に当てはまる。より古い原発に設置許可を与えるならば、原子力規制委員会は、本質的な安全性について目をつぶっているということに他ならない。

グリーンピースが、憂慮する点は以下の通り。

-老朽化した原発では、長い間中性子を浴びることによる損傷が生じる。

-コンクリート構造物の劣化も、とくに海水の影響を受ける日本では重要である。

-高浜原発1,2号機の設計は1960年代になされ、建設は1970年代初頭だ。耐震性や地震の発生について、最新の知見に照らした場合、安全性を確保できる証拠はない。

-ケーブル分離の問題は新規制基準を適合しているという実際の確認はとれていない(書類審査に依存している)

高浜原発1,2号機の審査が急いで行なわれているのは、明らかに、7月7日の老朽化審査締め切りに間に合わせるためであろう。それは安全性の確保とは相容れない。

これらの理由により、原子力規制委員会に、高浜原発1,2号機の再稼働審査の中止を求める。

 以上

 

 

 

 

 

グリーンピース・ジャパン

ライターについて

グリーンピース・ジャパン
グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。世界中の300万人以上の人々からの寄付に支えられ、企業や政府、一般の人々により良い代替策を求める活動を行っています。ぜひ私たちと一緒に、行動してください。

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