こんにちは。食と農業担当の石原です。
遺伝子組み換え(以下GM)の「神話」を暴くシリーズ、今回で4回目です。
農業は、作物の成長を妨げる雑草や害虫との戦いです。そこに登場したのがGM作物。除草剤も殺虫剤もいらない、育てるのが簡単。

そう思っていませんか?しかし、その現実は・・・。

 

GMO

 

【Q】GM作物だと雑草を処理する手間が省ける?

【A】 「スーパー雑草」の出現により、当初期待されていたメリットはなくなりました。

GM作物を育てるときは、最初に強力な除草剤?除草剤を散布してから、その除草剤に耐性を持ったGM作物の種を撒きます。

雑草はすべて枯れて、除草剤から生き残れるように遺伝子操作された作物だけが成長する仕組みです。
 この技術は、除草にかける時間と労力を削減すると期待されていました。しかし、状況を変えたのがスーパー雑草。米国では、GM作物に使われる除草剤「グリホサート」に耐性を持つ14の草が確認されています。
除草剤に耐性を持った雑草のせいでさらに強い除草剤が必要となり、環境への負担が倍増します。
環境汚染を加速するまさに負の連鎖です。

しかしその一方、GM作物や除草剤の製造業者が苦しむことはありません。
新しい除草剤とそれに対応する新たなGM作物を作って売ることで、解決してしまいます。

雑草

 

【Q】GM作物は害虫管理を簡単にする?

【A】「スーパー害虫」が出現。さらに二次害虫が出現したことでさらに手間がかかるように。

殺虫性をもつGM作物は、害虫からの攻撃に関係なく常に殺虫成分「Bt毒素」を放出しています。そのため除草剤を撒かずとも害虫を駆除できると宣伝されてきました。

しかし、この効果も長くは続きません。スーパー雑草と同様、GM作物に耐性をもつ「スーパー害虫」が出現しているのです。
さらなる問題として、殺虫作用によって害虫がいなくなった畑に、他の害虫が出現する場合もあります。結局、これらの二次害虫から作物を保護するために殺虫剤を散布し、追加コストを負うのは農家になってしまうのです。

 

除草剤

 

どんなに除草剤や害虫に耐性をもたせるように遺伝子操作しても、やはり自然の力にはかなわないのですね。グリーンピースでは、遺伝子操作や大量の除草剤に頼る工業型農業から、自然の力に頼るより環境に優しい生態系農業をみなさんと選びとる社会を目指しています。

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