こんにちは。海洋生態系担当の小松原です。
南太平洋を航行していた虹の戦士号が60日以上に及ぶ調査の旅を無事に終えました。旅の終盤では、市民の願いがカタチになったできごとがあったのでシェアします!

 
虹の戦士号は9月9日、ナウル共和国とパプアニューギニアの間で、台湾籍のまぐろはえ縄漁船 (Shuen De Ching No. 888) に遭遇!! 船の許可を得て、漁獲の記録や獲った魚を保存しておく冷凍室を調査しました。
その結果、なんと、漁獲した魚の一部を他の船に積み換えていたことが分かりました。洋上での積み換えは、限られた船にしか許されてません。ということは、この船は許可を得ずにやっていたということですね!
 

犠牲になった42匹のサメたち

さらに、冷凍室からは75キロ(42匹相当)ものおびただしい数のサメのヒレが見つかりました。なんでヒレだけたくさんあるのでしょう? それは、まだ生きているサメのヒレを切り落とし、体を海に投げ捨ててしまうのです。身動きも取れないまま海底に沈んでゆくサメたちを想像しただけでツラいです(詳しくは、以前のブログをご覧ください)。
のちの調査から、見つかったヒレは、絶滅が心配されているクロトガリザメやアカシュモクザメのものではないかとされています。
グリーンピースは、この事件を台湾政府に報告、台湾政府はパトロール船を現場へ送り、調査をし、その違法性を認めました。今、護送され台湾に戻った船は、さらなる調査を受けています。 

 
グリーンピースのによる違法漁業の発見をきっかけに、ナウル共和国は即座に、排他的経済水域内での洋上積み替えを禁止しました。太平洋では、マーシャル諸島とツバルに次いで3番目の国です。
さらに、グリーンピースは、22日から開催された、国際管理機関である中西部太平洋まぐろ類委員会の技術遵守委員会にて、今回の事件を報告、世界各国に違法漁業取り締まりの強化を訴えました。
 

EUが台湾にイエローカード


今月1日には、EUが台湾に対し、違法漁業について地域漁業管理機関の義務を全うしておらず、EUの基準を満たさないとして、イエローカードを出しました。これは、今後改善が見られなければEU加盟国への輸出が禁止されるということ。早急に改善に向けた対策が行われることを期待します!
 

あなたのお魚はだいじょうぶ?

この話、日本にも多いに関係があるんです。台湾が漁獲するマグロの主要輸出先はアメリカ、EUですが、次いで多い国は日本。知らないうちに違法に獲られた魚を口にしていただなんてイヤですよね?
台湾に限らず、またマグロに限らず、私たちが普段口にしている魚が、海の生き物を絶滅に追いやるような漁業や、強制労働の犠牲によって獲られたものではないとは言い切れないのです。

過剰・違法漁業、強制労働の根絶のために

実は、虹の戦士号は、環境破壊をなくし、グリーンでピースフルな世界を願う市民の皆さまのご寄付で造られた船なのです。つまり、虹の戦士号が、人の目が届かない大海原で起きている環境破壊を目撃し、広く世界に発信することは、皆さまが見ていることを意味します。
人も海もハッピーに!みんなの希望を乗せて、虹の戦士号は今日も海を走ります。
 


マグロをめぐる問題が丸わかり!可愛いリーフレットつくりました!

 

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 マグロ産業が抱える問題は、太平洋のはるか遠くだけではありません。ここ日本でも起きています。私たちオーシャンチームの活動にお力添えください。 
 

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グリーンピース・ジャパン

ライターについて

グリーンピース・ジャパン
グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。世界中の300万人以上の人々からの寄付に支えられ、企業や政府、一般の人々により良い代替策を求める活動を行っています。ぜひ私たちと一緒に、行動してください。

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