こんにちは。食と農業問題担当の関根です。
みなさんは気にしたことありますか?
食べ物だけでなく、空気や水からも、たくさんの種類の化学農薬を体に取り込んでしまっていることを。
化学合成農薬が使われるようになったのは1950年代頃から。
当初、多く使われるようになっていったのは、毒性が強く残留性で生物に蓄積する農薬(DDTなどの有機塩素系農薬)。これらが“害虫”だけでなく、その他の虫や鳥など生態系に深刻な悪影響を与えることを初めて警告したのが、レイチェルカーソンの名著『沈黙の春』(1962年)でした。
『沈黙の春』は終わっていない
それから約50年。
このかん、『沈黙の春』が警告した農薬に代わって、有機リン系やピレスロイド系、カーバメート系などの農薬が次々と市場に出て、広く使われるようになっていきました。
世界中で多様な農薬が膨大に使われるようになるにつれ、農薬と人の健康、たとえば発達障害、神経系と免疫系の障害、一部のがんのリスク上昇との関連が次第に明らかになってきました。
そして、比較的新しく登場してきたのが、ミツバチの大量死の重要な原因の一つでありヨーロッパや韓国、アメリカなどで規制の始まっているネオニコチノイド系農薬。
子どもの神経や脳の発達への悪影響も懸念されている農薬です。
グリーンピースの最近のレポート『農薬と健康–高まる懸念』ではこうした農薬の健康影響についてまとめています。
農薬が子ども、特に胎児や、ハイハイを始めた頃〜よちよち歩きの年頃の小さい子ども達の健康に大きなリスクがある、という衝撃的な事実がわかってきました。
繰り返される影響
新しい農薬が使われるようになったあとで、環境や人の健康への悪影響が問題化する。
このパターンは、有機塩素農薬でも、有機リン系農薬でもそして最近のネオニコチノイド系農薬でも、同じように繰り返されてきました。
殺虫剤ばかりではありません。
何十年も使われてきた除草剤で、世界で最も広く使われているモンサント社の商品「ラウンドアップ」の成分グリホサートに「人に対して発がん性をもつ可能性」があると世界保健機関(WHO)が認めたのは今年になってのことです。
(グリーンピースのレポート『農薬と健康–高まる懸念』[写真の中のClick to read]をクリックしてください)
生態系農業へ—連鎖を断ち切るために
新しい農薬につぎつぎと頼りつづけるのを止めない限り、農薬の悪影響から確実に決別することはできません。
農薬の連鎖をとめる唯一の方法は、私たちの食料生産を持続的な方法へ転換していくことです。
長期的な視点で、有機・無農薬など生態系と共存する農業(生態系農業)へと進むことを目指しながら、最初のステップとして、今目の前にある問題、たとえば有害性の高いことがわかっている農薬からまず使用をやめていく。
そんなアプローチを一緒にすすめていきませんか?
グリーンピースでは今、みんなの声を力にするために、以下の二つをもとめる署名活動を実施しています。ぜひ下のバナーをクリックして署名に参加してください。
● 子どもの健康影響への懸念やミツバチなど花粉媒介生物への影響のある農薬(ネオニコチノイド系など)の規制に着手すること
● 有機農業や自然農法など、生態系に調和した農業の価値を評価し、支援を強化すること
【署名を広めてください】
もう、オンラインや紙で署名をしてくださった方、どうもありがとうございます! さらに、下記のリンクをクリックして、さらにお知り合いへ広めていただけませんか?
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