こんにちは、気候変動・エネルギー担当の高田です。

今日のお昼、グリーンピースが記者会見を開き、独自の放射線モニタリング調査の報告と、避難地域の拡大を求めました。

記者会見を終えた直後、枝野官房長官が福島第一原発事故の避難指示地域拡大について、これまでのように距離でなく地形、風向き、放射線量などを考慮して地域ごとに指示を出す方針を明らかにしたとのニュールが。
福島第1原発:飯舘村に避難要請 1カ月以内 (毎日新聞、4月11日)

これから、子どもや妊婦などを優先に、すばやく落ち着いた避難が進むことを期待します。

<第2回目の独自モニタリング調査(4月4日~10日に福島県内で実施)については>
★記者会見の様子はこちら(Ustream中継・録画)→(録画の関係で途中にノイズが入ります。どうぞご了承ください)
★プレスリリースはこちら
★第1回目の調査についてはこちら。

この調査の目的は、
*福島県第一原発による地域の方の健康と環境への影響を調べること
*放射能汚染による地域の方の健康と環境への影響をできる限り少なくするために、適切なアドバイスを提供できるようにすること
*地域の方が損害の補償を求める際に参考となる証拠を第三者の立場から集めること。

2度にわたる調査の結果、広い範囲で放射性セシウムによる汚染の可能性があることがわかりました。
(京都大学のグループらが行った土壌調査より算出)

住民の長期的な安全と健康を確保するため、早急な対応を菅総理に要請しました。

この要請には、
*福島第一原子力発電所から20キロ圏外のホットスポットと呼ばれる放射線量の高い地域(浪江町、飯舘村など)への避難指示発令と、その住民への東京電力もしくは政府による完全な生活補償を行うこと。
*放射線量が依然として高く、人口も多い福島市や郡山市を含む広域を「特別管理地域」と指定し、汚染度の高い地区を除染するなど適切な措置を早急にとることなど
4項目が含まれています。

放射線チームが福島市の公園で行った調査では、1時間あたりの放射線量が4マイクロシーベルトを記録。また、郡山市の神社では、1時間あたりの放射線量が2.8マイクロシーベルトでした。これは数週間で年間被ばく限度量を超えてしまう放射線量です。
グリーンピースの放射線量調査測定値と測定場所をグーグルマップでご覧いただけます。)

福島原発から約60キロ離れた福島市や郡山市などの地域でも、チェルノブイリ原発事故後に周辺地域で避難指示が出される際の基準となった年間積算線量5ミリシーベルトを超えてしまいます。また、調査チームは、福島市、郡山市、南相馬市の農家の方のご協力によって採取した野菜や、福島市内のスーパーマーケットで購入した野菜を測定した結果、基準値を上回る放射線量を検出しています。(グリーンピースが調査した野菜は1キロ当たり16000ベクレルから150000ベクレルの値。測定値と測定場所はグーグルマップでご覧いただけます。)

このような状況であるにも関わらず、原発周辺から避難している方が滞在する避難所(山形県米沢市)でグリーンピースが行ったアンケート調査では、83.3%の方が政府や自治体から伝えられる放射能汚染の情報が十分でないと証言しています。

放射線量が高い地域でも30キロメートル圏外ということで、住民は普段通りの生活を続けています。人口密度が高い地域では統計的にリスクも高くなることから、住民を放射線から守るための仕組みを緊急に整える必要があると考えます。

グリーンピースは、今後も放射線モニタリングを続け、被害を受けた住民が東京電力に対して損害の補償を求める際に参考となる証拠を集めていく予定です。

<参考資料>

◆放射線量調査測定値と測定場所データ(全261地点)

◆野菜および土壌の放射線量調査データ
*記者会見で発表した資料の翻訳に誤りがありました。お詫びして、下記のように訂正いたします。
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サンプル名: V6-20110406 (spring onion1および2)
測定場所: <誤>福島市郊外の小規模の野菜畑 →<正>福島市の直売所
サンプル種類:<誤>ニラ → <正>ネギ
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グリーンピース・ジャパン

ライターについて

グリーンピース・ジャパン
グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。世界中の300万人以上の人々からの寄付に支えられ、企業や政府、一般の人々により良い代替策を求める活動を行っています。ぜひ私たちと一緒に、行動してください。

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