国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)が今年6月にリニューアルして公開した、ごみを出さないお買い物マップサイト「グッバイ・ウェイスト」前回は容器のリユースサービスが利用できる飲食店をマップで探し、テイクアウトに挑戦しましたが、今回は、通常使い捨て容器で販売されている製品を再利用可能な容器で販売するサービス「Loop」を体験しました。(広報担当・佐藤果穂子)

グッバイ・ウェイストマップ上でLoop返却ボックスの設置場所が確認できる
グッバイ・ウェイストマップ上でLoop返却ボックスの設置場所が確認できる

同サービスは、全国100店舗のイオン・イオンスタイルとStyleTable/Ethical&SEA店舗で利用できます。7月23日現在、「グッバイ・ウェイストマップ」にはLoop返却ボックスの設置場所が110件登録されています。その中で今回は、東京・目黒にあるイオンスタイル碑文谷店でリユース体験をしました。コインロッカーのようなブルーの返却ボックスを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?

イオンに設置されているLoopコーナー。レジ付近にあるブルーのボックスが目立つ
イオンに設置されているLoopコーナー。レジ付近にあるブルーのボックスが目立つ

まず、店舗に設置されているLoopコーナーから商品を選び、レジで購入します。ここまでは通常の商品を購入する際と変わりません。普段プラスチックの容器に入っているガムやケチャップなどの食品、洗剤やシャンプーなどの日用品が、Loop用の容器で販売されています。容器は洗浄して再利用されるため、プラスチックと比較すると頑丈な作り。今回は珍しい瓶入りのスポーツドリンクを購入しました。通常の商品より少し値段が高く感じますが、Loopは再利用可能な容器を店舗で回収し、預り金がLoopアプリの残高に反映されるシステムです。

美味しく飲み終えたら、使用済みの瓶をLoopの返却ボックスに返却します。預り金の返金を受け取るため、返却する際は、Loopアプリを事前にインストールしておく必要があります。

容器に二次元バーコードのシールを貼ります
容器に二次元バーコードのシールを貼ります

返却の手順は、①返却ボックスにあるレバーを引くと出てくる返却用の二次元バーコードシールを返却する容器に貼り、②二次元コードをアプリで読み込み、③容器を返却ボックスへ入れます。容器に貼った二次元コードを読み取ることで、アプリ上で処理中の容器の情報を見ることができます。返却ボックスにも返却方法が記載されているので、とてもわかりやすいです。

返却後の容器は仕分け・保管・洗浄されたのち、新しい商品の容器として再利用されます。

アプリで二次元コードを読み込むのを忘れずに!
アプリで二次元コードを読み込むのを忘れずに!

返却してから約2週間で、「使い捨てごみを減らすことができました」とのメッセージとともに預り金が返金されました。

返金された預り金は銀行口座への払い出しも可能。8800円未満の場合は249円の手数料がかかる
返金された預り金は銀行口座への払い出しも可能。8800円未満の場合は249円の手数料がかかる

Loopを日本国内で展開するLoop Japan(横浜市中区)のエリック・カワバタ代表は、日本におけるLoopの導入について「日本は元々資源が少ない国で『もったいない精神』という意識の土壌もあり、可能性は無限大。今後もLoopの商品ラインナップを増やしたり、ホテルやオフィス、レストランなどBtoBのビジネスを広げることで、リユースの取り組みを拡大していければと考えています」と分析。その上で今後の展望については、「Loop導入国の一つのフランスでは、欧州連合(EU)が今年3月に食品包装に関する新規制案に暫定合意して以来、Loopの導入店舗数が一気に増加しました(注)。日本でもリユースサービスをより普及させるには、一定の法的拘束力のある規制やガイドラインの策定が不可欠です」と今後の展望について語ります。

プラスチックの規制に関しては、2025年までに法的拘束力のある国際プラスチック条約の策定を目指して、これまでに政府間交渉委員会(INC)が4回行われており、次回のINC5は今年の11月に韓国・釜山で開催されます。リユースの仕組みを世界的に拡大するためにも、野心的な条約を実現することが重要です。

Loop Japanのエリック・カワバタ社長
Loop Japanのエリック・カワバタ社長

購入した場所ではなくてもLoopを導入している店舗であれば容器を返却できたり、複雑な手順はなく手軽に利用できることが魅力のLoop。普段使っている日用品を使い切った際、リユースサービスが選択肢の一つになるよう、グッバイ・ウェイストマップをぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

(注)プレスリリース「EUが新たな包装規制案に暫定合意 リユース可能な包装の推進にテコ入れ」(2024年3月14日発表)