神奈川県民の約9割が県内の再エネ自給を支持ーー県民1000人対象に気候変動に関する意識調査

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)は7月24日、神奈川県在住の1000人を対象に行った気候変動に関するオンライン意識調査の結果を発表しました。調査の結果、気候変動対策のため県内で使用するエネルギーを再生可能エネルギーで賄う取り組みを推進すべきと回答した人の割合が89.1%にのぼり、大多数が再エネ自給を支持していることが明らかになりました。今回の調査の結果を踏まえ、グリーンピースは本日、新築住宅の屋根置き太陽光発電設備の標準化のための制度や既存住宅の屋根置き太陽光発電設備の設置率向上のための制度等を求める黒岩祐治知事宛ての要望書を提出する予定です。

<調査概要>

対象:神奈川県在住の1000人を対象に18~79歳男女で10代刻み 

方法:グリーンピースが楽天インサイト株式会社に委託してオンラインで実施 

時期:2024年7月5日(金)〜2024年7月10日(水)

有効回答数:1000人

<主な調査結果>

  • 気候変動の影響を受けていると感じることについて聞いたところ、「猛暑や熱中症患者数の増加」が最多で88.2%、次いで「水害(洪水・氾濫など)」が62.6%、「農作物の品質の低下や収量の減少」が59.1%となった。
  • 神奈川県内で使用するエネルギーをできる限り県内の再生可能エネルギーの発電で賄うことの是非について、「大いに進めるべき」(36.4%)と「進めるべき」(52.7%)が合わせて89.1%となり、多くの人が県内の再生可能エネルギー自給を進めるべきだと考えていることがわかった。
  • 住宅の屋根に太陽光パネルを設置したいかについて、「設置したいと思うが、予定がない・またはできない理由がある」が57.2%で最多となり、設置を希望しながらも設置できない・しない人が半数以上いることがわかった。
  • 住宅用屋根置き太陽光パネルを設置できない・したくない人に理由を聞いたところ、「導入費用が高い・金銭的余裕がないから」が最多の44.2%だったほか、「コストを回収できるか不安だから」が31.0%にのぼり、金銭的な面での理由が多いことがわかった。そのほか「借家(賃貸)なので難しい」(23.1%)や、「マンションのため実施できない(その他での記述回答)」という、構造上の理由も見られた。

「神奈川県民の気候変動に関する意識調査」全調査結果はこちら

グリーンピース・ジャパン 気候変動・エネルギー担当、鈴木かずえ

「調査結果からは、多くの神奈川県民が、健康被害や水害、食料不安など様々な面で気候変動の影響を感じていることが分かり、県にもこの危機感を共有してほしいと思います。太陽光発電設備の設置を希望する人は6割にものぼり、適切な仕組みや誘導策さえあれば急速に設置が進む可能性があると予想できます。太陽光発電設備は設置費用の高さに加え、コスト回収を不安視する声が目立ちましたが、実際にはコストは10年ほどで回収できます。正しい情報を消費者や住宅オーナー、建築業界に周知していくことが設置率を伸ばす鍵となります。神奈川県には『2030年までに再エネ2倍』という目標以上の成果を達成できるよう、今後の仕組み作りに期待しています」