アート制作に集中する来場者(6月4日、東京新宿区)桐島はんな/@kirishimahanna

テイクアウト用の飲料カップやレジ袋、何重にも包装されたスナック類ーー。1度使っただけで捨てられるプラスチック容器包装など、生活において身近な存在であるプラスチックによる環境汚染が地球規模の問題となっています。そのような中、使い捨てプラスチックの利用や生産を減らす意識を高めようと、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)は6月4日、使い捨てプラが無くなった未来の世界における、カフェやスーパーなどの店舗の新しいビジョンのアイデア・コンペ「NEXT ECO 100」を、サスティナブル・ブランディング・エージェンシー、imageMILLと共同で立ち上げました。東京都新宿区のimageMILLのスタジオで同日開催したローンチイベントにはアーティストや環境活動家ら約60名が来場し、会場で絵や書道などのアート制作を行ったり、パフォーマンスやプレゼンテーションを通して使い捨てプラスチックの問題点を訴えたりする姿が見られました。

プラスチックごみの中でパフォーマンスする一琥氏

イベントは、初めにNEXT ECO 100の審査員も務める作曲家・ミュージシャンのアレクサンドル・ダイ・カスタン氏の和太鼓演奏と、ダンサーの鈴木一琥氏によるプラスチック問題をテーマにしたコンテンポラリーダンスでスタート。続いて、現代社会でプラスチックがはらむ問題と必要な解決策についてグリーンピース・ジャパンのスタッフが説明を行った後、参加者によるアートのワークショップが行われました。会場には絵の具や色鉛筆、墨汁、キャンバス、画用紙など、さまざまな画材が用意され、参加者は絵や書道などで、思い思いのアイデアを表現していました。イベント後半には、書道家の渡邉富嶽氏が古代文字の「保」を描く書道パフォーマンスも行われ、環境保護のメッセージを、人が子を守るような漢字の成り立ちに込めて表現。参加者からは、イベントを通じて「プラスチックとの関係について考えさせられた」「このような環境とアートをかけ合わせたイベントがもっとあると良い」などの声が聞かれました。

古代文字の「保」は人が子(右上)を抱えるような形となっている
思い思いのアート作品を作るローンチイベントの参加者ら

「NEXT ECO 100」は、使い捨てプラスチックのない未来の世界を想像し、新しいビジョンを生み出すアイデア・コンテストとして、8月31日まで作品を募集しています。ベストアイデア賞受賞者は、2024年11月25日-12月1日に韓国・釜山で開催される、国際プラスチック条約の策定のための第5回政府間会合(INC-5)関連イベントに参加することができます。詳細情報は公式サイトから。https://www.nexteco100.org/