国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)は、ごみゼロの日の5月30日、マイボトル・タンブラーを所有する全国の1000人を対象に行った調査『リユースの仕組みに関する意識調査』の結果を発表しました。調査は、グリーンピース・ジャパンが、楽天インサイト株式会社に委託し、オンラインで行いました。調査の結果、マイボトル・タンブラー所有者の56.4%が2本以上を所有しているにも関わらず、その活用状況は限定的であることが分かりました。一方で、リユースの仕組みを活用したサービスの利用経験がある人の9割以上が、再度サービスを利用したいと感じており、リユースサービスの可能性の大きさが明らかになりました。

<主な調査結果>

  • マイボトル・タンブラーを所有している人の56.4%が「2本以上所有している」と回答した。また、マイボトル・タンブラーを所有している人の66.8%が「週一日以上マイボトル・タンブラーを持ち歩く」と回答したが、そのうちの85.6%が普段持ち歩く本数は「1本」と回答した。
  • 週1日以上マイボトル・タンブラーを持ち歩いている人の26.3%が「水やお茶用などではマイボトル・タンブラーを持ち歩くが、コーヒー用などにはほとんど、もしくは、全く持ち歩いていない」と回答した。他方、カフェ・コンビニのテイクアウトで2-3回に1回以上の頻度でマイボトル・タンブラーを使用する割合は23.8%だった。
  • カフェ・コンビニのテイクアウト利用のために、マイボトル・タンブラーを持ち歩かない理由としては「すでに1本他の用途で(水など)持ち歩いているので、これ以上増やしたくない」が43.3%で最も多く、「かさばるから」が25.5%、「自分で洗うのが面倒」が17.3%、「重いから」が14.9%だった。
  • 「返却式リユースカップの仕組み」についての認知度は35.2%にとどまったが、リユースの仕組みを活用したサービスを利用したことのある人の92.6%が「また利用したい」と回答した。またリユースの仕組みの利用経験がある層は、20代・30代が64.7%を占めた。
  • 「リユースの仕組みを使ったことがある」と答えた回答者は、利用した理由として「環境に良いから」を一番多く挙げ、特に20代・30代においてこの傾向が強く見られた。
  • マイボトル・タンブラーを所有している人の62%が「お店がリユースシステムを導入していると、その企業の環境に対する取り組みについてイメージ向上につながったり、お店での購買行動にポジティブな影響を与える」ことに賛同した(「とてもそう思う」「ややそう思う」)。

「リユースの仕組みに関する意識調査」全調査結果はこちら

<調査概要>

対象:マイボトル・マイタンブラーを所有する国内在住の1000人(20歳から10代刻み及び60歳以上の男女) 

地域:すべての都道府県 

方法:グリーンピースが楽天インサイト株式会社に委託してオンラインで実施 

時期:2024年5月21日(火)〜5月22日(水)

有効回答数:1000人

グリーンピース・ジャパン プラスチック問題担当、大館弘昌

「今回の調査では、マイボトル・タンブラーがカフェ・コンビニでのテイクアウトに使用される割合が低いことや、持ち歩きが浸透しない理由など、マイボトル・タンブラーのデメリットや限界が浮き彫りになりました。一方で、企業が容器の貸し出し・回収・洗浄まで行うリユースの仕組みが広がれば、マイボトルが利用されないデメリットを解消できる可能性も大きいことが見えてきました。環境問題に対して積極的に行動したい人たちにとって、使い捨てカップではなく繰り返し利用できる容器を持ち歩くことが重要であり続けることに変わりはありませんが、世界的に深刻化するプラスチック汚染を食い止めるためには、廃棄物を排出する企業側の抜本的な対策が求められます。使い捨てごみ削減の対策を個人の努力だけに委ねるのではなく、今後は大量の使い捨てごみを排出する企業が、リユースカップ使用率などの『リユース目標の設定』やテイクアウト用リユースシステムの段階的かつ大規模な導入など、革新的な対策を進めることに期待します」

以上