グリーンピースも参加する国際的な脱プラスチックネットワーク「Break Free from Plastic(BFFP)」は2月7日、世界各地の海や川で収集したプラスチックごみがどの企業ブランドのものか集計した「プラスチック汚染企業調査(Brand Audit Report)」の結果を発表しました。同調査は2018年から始まり、今回で6回目。日本を含む41カ国でボランティアが集めたプラスチックごみを分類した結果、米飲料大手ザ・コカコーラ・カンパニーのプラごみが40カ国で回収され、6年連続のワースト1位となりました。回収されたプラごみの量でも、同社は米飲料・食品大手ペプシコの3万4780個に次ぐ、3万3820個でした。

調査は2023年、世界41カ国で行われ、8,804人のボランティアが、海岸や河川のプラスチックごみ計53万7,719個を回収しました。日本で調査を行った米カレッジ・オブ・ジ・アトランティックのアビゲイル・バローズ教授(海洋学)は、「使い捨ての食品や飲料のプラスチック容器包装ごみが多く見つかり、140メートルも進まないうちに持参した回収用コンテナ全てがプラごみでいっぱいになった」と話します。

調査結果によると、最も多くの国で見つかったブランドは、ザ・コカコーラ・カンパニーで、40カ国で計3万3820個のプラごみが回収されました。同社のプラごみのうち、最も多かったのはプラスチックボトルで、「コカコーラ」ブランドが最多でした。2位はスイスに拠点をおく食品・飲料大手ネスレで、33カ国で9931個を回収。3位は英消費財大手のユニリーバで、こちらは31カ国で計3万4780個のプラごみが回収されました。

また、回収されたプラごみの量別でみると、ペプシコが3万4780個で最多。次いで、コカコーラ(3万3820個)、ネスレ(9931個)が続きました。種類別では、食品容器包装が全体の8割を占める42万9182個でした。内訳で最も多かったのはペットボトルで10万4771個、食品包装が6万6968個、ドリンクカップが3万7897個と続きました。

今回の調査結果について、グリーンピース・ジャパン、プラスチック問題担当の大館弘昌は、「今年も変わらずコカコーラ、ネスレ、ユニリーバが上位を占めており、プラスチック汚染が日々深刻化する中、企業の遅々とした対策を象徴するような結果となりました。グリーンピースや世界各地のNGOは、こうした企業が汚染の原因を作るのではなく、解決を主導する立場になるため、使い捨てプラスチックを大幅に減らし、リユースモデルへの移行を求めています」としています。

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