神奈川県の担当者に黒岩知事宛ての要望書を手渡すかながわ脱炭素市民フォーラムのメンバー

神奈川県内で脱炭素推進に取り組む市民グループ5団体は1月15日、連携して地域の脱炭素を目指す「かながわ脱炭素市民フォーラム」を新たに立ち上げました。フォーラムのメンバーらは同日、県庁を訪れ、太陽光発電設備の設置義務化や建物の高い断熱基準設定を求める、黒岩祐治知事宛ての要望書を提出しました。フォーラムには、横浜地域、川崎地域、横須賀三浦地域、県央地域、湘南地域のグループが参加しており、今後、県西地域含めより多くグループの参加を呼びかけていくといいます。

現在、神奈川県では、現在、県地球温暖化対策計画の改定を進めており、昨年10月〜11月にはパブリックコメントを実施しました。県はこれまで、太陽光発電設備を初期費用0円で設置する「0円ソーラー」や、太陽光パネルの共同購入システム導入などを進めてきました。また、黒岩祐治知事は「無暖房住宅の推進」を公約として掲げており、建物の省エネによる脱炭素効果が期待されます。

この日、プラットフォームのメンバーは、県脱炭素戦略本部室に新築住宅の太陽光発電施設の設置義務化と建築物の断熱性能のより高い基準設定を求める要望書を提出。太陽光発電施設の設置義務化について、「先行自治体における実施状況等を踏まえ、設置義務化の必要性や効果等について検討する」とする県の地球温暖化対策計画改定案について、太陽光発電設備設置義務化の早期実現を求めています。また、断熱基準について、同改定案はネット・ゼロ・エネルギービル(ZEB)・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の普及や、省エネルギー改修の促進を明記していますが、建築物の断熱性能を国よりも高い断熱等級6以上の基準で設定するよう要望しました。

県政記者クラブで記者会見した同フォーラムの藤田理恵子さん(ゼロエミッションを実現する会・横浜共同代表)は、「それぞれの地域で変化を起こすために活動している団体が、県内の横断組織として連帯すれば、より大きな効果をもたらせるのでは」と話しました。

グリーンピース・ジャパンは、「ゼロエミッションを実現する会」の事務局を務めており、今回フォーラムに加わった横浜チームと他の市民グループの連携に、大きな期待を寄せています。気候変動・エネルギー担当の鈴木かずえは「今回のフォーラム立ち上げは、市民による脱炭素の取り組みにおいて大きな前進といえます。今後、他の地域でも、今回の神奈川県の事例のように、気候変動に取り組む市民グループの横のつながりが広がっていくことで、政府や地方自治体の気候変動対策の強化につながることに期待します」としています。