国際環境NGOグリーンピースは、アラブ首長国連邦・ドバイで11月30日から12月12日まで開催される国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)を前に、以下の声明を発表しました。グリーンピースの代表団は、同会議にオブザーバー参加します。

<COP28にグリーンピースが求めること>

  • パリ協定の温暖化抑制目標を達成するために、COP28の決定文書において、すべての化石燃料を公正かつ速やかに段階的に廃止し、石炭、石油、ガスの新規生産を直ちに停止することを約束しなければならない
  • グローバル・ストックテイクは、気温上昇を1.5度に抑え、増大する気候の影響に公正に対応するため、全面的に変革的な行動を開始する成果で締めくくられなければならない
  • 増大するニーズに対応する信頼できる資金パッケージが不可欠である。新たな損失と被害に関する基金の設立は必須であり、汚染者が引き起こした破壊と損害の代償を支払わせる結果に近づけなければならない

グリーンピースCOP28代表団、カイサ・コソネン代表

「私たちは今、かけがえのないチャンスを手にしています。化石燃料に取って代わり、私たちの未来に大きな安全をもたらす解決策が、かつてないほど身近に、かつ安価に存在しています。 しかし、各国政府が石油、石炭、ガスを規制しない限り、その実現は遅々として進みません。各国政府が科学的根拠に基づいて行動し、自国民の保護に尽力し、化石燃料を過去のものとすることに合意すれば、COP28は歴史上のターニングポイントとなりうるのです」

グリーンピース・ジャパン シニア政策渉外担当、小池宏隆

「今回のCOP28には日本の岸田首相も出席し、気候変動対策推進に向けて国際社会の協調を呼びかける方針ですが、日本は主要7カ国のなかで石炭火力発電からの撤退期限を定めていない唯一の国です。科学に基づいて気温上昇を1.5度に抑えるためには、国内でも石炭・ガスを含むすべての化石燃料の段階的廃止を進めなければなりません。2015年に決まったパリ協定も、今年で折り返し地点です。無駄にできないCOPとなります。脱炭素化において国際社会をリードするためにも、日本政府には2030年までに急激に温室効果ガス排出量を削減するのに資する、実質的かつ効果的な対策を進めることを期待します」

グリーンピース・ジャパンからは小池がグリーンピース代表団の一員としてCOP28に参加しています。現地でのサポートも可能ですので、ぜひお気軽にご連絡ください。

以上