国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は、米国・ニューヨークの国連本部で現地時間の3月4日に閉幕した政府間会議で、どの国の主権も及ばない公海の生物多様性の保全と持続可能な利用を目指す(注1)海洋保護条約の制定が合意されたことを受け、以下の声明を発表しました。同条約は、世界のすべての海域に完全または高度な保護区を設けるための道筋を示すもので、各国政府には今後、条約を効果的かつ公平な方法で実践していくことが求められます。

Greenpeace USA activists unfurl a giant banner reading ‘Ocean Treaty Now!’ to send a clear message to delegates at the United Nations in New York at the start of the second week of the resumed IGC5 negotiations. Without a strong Treaty being agreed at this round of talks, it will be practically impossible to protect 30% of the world’s oceans by 2030. This is the minimum scientists say is necessary to allow the oceans to recover from decades of pollution, overfishing, and other industrial activities.

グリーンピース・インターナショナル(本部) 海洋保護担当、ローラ・メラー 

「今回の条約合意は自然保護にとって歴史的な日であり、分裂した世界において、自然と人々を守ることが地政学に打ち勝つことができることを示すものです。各国が妥協案を模索し、互いの違いを乗り超えることで、海を守り、気候変動への耐性を高め、何十億もの人々の命と生活を守ることができる条約を実現したことを賞賛します。

私たちは今、ようやく話し合いから海における現実の変化へと移行することができます。各国は条約を正式に採択し、できるだけ早く批准して発効させることで、地球が必要とする完全に保護された海洋保護区を実現しなければなりません。30×30を実現する(注3)ための時間は、今も刻々と過ぎており、ここで満足していてはいけないのです」

(注1)国連発表(2023年3月5日発表)

(注2)  グリーンピース『神秘に満ちた海を未来へ』署名キャンペーン(2019年4月-2022年8月)

(注3)  グリーンピース報告書『30×30: 海洋保護の未来図』(2019年4月11日発表)