国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は本日、2月3日の節分を前に、全国の生活者1000人を対象に行った調査『コンビニと食品ロスに関する意識調査』の結果を発表しました。調査の結果、「コンビニは食品ロス削減を優先して対策すべき」と答えた人は7割を超え、多くの人が、値引きや寄付、季節商品(恵方巻きなど)の完全予約販売などの対策が必要と感じていることが明らかになりました(注1)。

<主な調査結果>

  • 年間522万トン(2020年度)にのぼる日本の食品ロス量のうち、家庭系食品ロスが約47%を占めること(注2)について問題だと回答した人の割合は92.6%で、すべての世代で問題意識が高いことが分かった。
  • コンビニで賞味期限が近い、もしくは少し切れている飲食品があった場合、78.9%が「値引きされていれば買いたい」と答え、「無料ならもらいたい」「食べられるものは寄付してほしい」「期限切れでも有効活用してほしい」など対策を求める声がそれぞれ3割以上あった(複数回答可)。
  • 食品ロス削減に対して企業が取り組むべきことを聞いたところ、「値引き」が79.1%と最も多く、「困っている人への寄付」43.3%、「売れ残りの飼料化・堆肥化」38.3%、「季節商品の完全予約販売」36.4%と続いた(複数回答可)。
  • コンビニが抱えるSDGsに関する課題について、優先的に取り組むべき課題を聞いたところ、「食品ロス削減」が74.6%と最も多く、その他「プラスチック容器包装をはじめとする廃棄物の削減」が46.9%、「労働環境の改善」が36.8%だった(複数回答可)。

「コンビニと食品ロスに関する意識調査」全調査結果はこちら

グリーンピース・ジャパン広報担当 平井ナタリア恵美

「今回の調査では、生活者の間で食品ロスに関する問題意識が高く、企業に対してもさまざまな食品ロス削減対策が必要と感じていることが分かりました。2022年は2万点以上の食品価格が値上げされており(注3)、調査結果からも昨今の物価高騰の影響や食料供給への不安感によって食品ロスへの関心が高まっていることが推測されます。

恵方巻きの大量廃棄が問題視されるようになってから数年、2019年には食品ロス削減推進法が施行されましたが(注4)、コンビニや小売店のシステム改善によって減らせる食品ロスはまだまだ多くあります。各企業によってさまざまな対策が始まっていますが、対策の規模は十分とは言えません。まず食品ロスの実態を正確に計測し、削減目標を公表して達成の進捗を見える化することが必要です。コンビニ各社には、食品ロスを出さないサステナブルなビジネスモデル実現のため、より積極的な取り組みを期待します」

<調査概要>

対象:国内在住の1000人を対象に18~79歳男女で10代刻み

地域:すべての都道府県

方法:グリーンピースが楽天インサイト株式会社に委託してオンラインで実施

時期:2023年1月26日(木)〜2023年1月27日(金)

有効回答数:1000人

(注1)食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄される食品のことを指す。また家庭系食品ロスは各家庭から発生する食品ロス、事業系食品ロスは事業活動を伴って発生する食品ロスのことを指す。

(注2)農林水産省プレスリリース(2022年6月9日発表)

(注3)帝国データバンク「食品主要105社」価格改定動向調査(2023年1月発表)

(注4)消費者庁「食品ロスの削減の推進に関する法律」(2019年10月1日施行)