国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、2022年7月22日に原子力規制委員会が東京電力福島第一原発の放射能汚染水の海洋放出計画を第25回原子力規制委員会臨時会議で認可したこと(注1)を受け、本日、以下の声明を発表しました。

グリーンピース東アジア シニア核問題スペシャリスト、ショーン・バーニー

「原子力規制委員会による東京電力の放射能汚染水海洋放出計画の最終承認は、不完全で限定的なデータや欠陥のある分析に基づいており、国際法に違反しています。放射能汚染水の放出によって太平洋を故意に汚染する原子力規制委員会の決定は、許しがたい過ちです。この海洋放出計画の認可は、科学的にも技術的にも不備があり、海洋放出は問題を解決するどころか、新たな問題を生み出します。

規制委は、環境アセスメントの基本となる重要な課題の多くを評価していません。さらにいえば、漁業コミュニティを含む、東日本大震災および原発事故によって最も被害を被った福島県民や、その周辺地域に住む人々の人権を軽視しています。海洋における環境への影響や、太平洋を故意に汚染することに反対するアジア太平洋地域の人々の権利も無視しています。

日本は、国連海洋法条約に従い、包括的な環境アセスメント(EIA)を実施することが法的に求められています。しかし、これまでに日本の規制当局からも国際原子力機関(IAEA)からも、そのような評価は実施も計画もされていません。規制委はこれら法的問題に真摯に対応すべきです」

(注1)第25回原子力規制委員会 臨時会議(2022年7月22日発表)

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