国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は、2022年3月31日に台湾ファミリーマート(全家便利商店股份有限公司)が新北市および桃園市の5店舗に繰り返し使えるレンタルカップ・サービスを導入し、年内に400店舗まで拡大すると発表したことを受け(注1)、本日、以下の声明を発表しました。台湾ではこの他にも、台湾セブン-イレブン(統一超商)が2050年までに使い捨てプラスチックの廃止を発表するなど(注2)、コンビニ大手による脱プラスチックの取り組みが日本よりも進んでいます。

グリーンピース・ジャパン プラスチック問題担当 大館弘昌

「台湾ファミリーマートによる今回の発表を契機に、日本でも本格的なリユースの取り組みが進むことを期待します。プラスチックごみを大幅に削減するためには、リユースを土台とした循環型社会の形成を目指す必要があり、小売・消費財・飲食業界などの大手企業が、リユースの仕組みや量り売りを全国的に導入することが求められます。使い捨てモデルに比べて、リユースを拡大することはプラスチックごみの海洋流出、気候変動への影響などの環境負荷を大幅に下げることができるだけでなく、様々な経済社会的価値を生み出し、企業にとっては新しい事業機会を創出する機会にもなります(注3・4)。

急務であるリユースの拡大を実現するため、日本政府のプラスチック政策においてもリユースの推進がまず優先されるべきですが、4月1日から施行される『プラスチック資源循環促進法』では、実質的にリサイクルや代替素材への切り替えばかりが優先されてしまっています。政府にはプラスチック容器包装の包括的な規制に加えて、リユースを基調とした社会への転換に向けた新しい仕組みづくりを進めることを改めて求めます」

グリーンピースは2019年より、台湾のコンビニエンスストアやスーパーマーケットを対象に、明確な目標と計画をもってプラスチック消費量を削減するよう求めてきました。2021年にはプラスチックフリー・アライアンス・プロジェクトを立ち上げ、台中市役所や同市内のファミリーマートを含む18カ所でレンタルカップの実証実験を行いました。台湾ファミリーマートでは年間1億個以上の使い捨てコーヒーカップが廃棄されていますが、今回のレンタルカップ・サービスの本格的な導入により使い捨てカップ廃棄量の大幅削減が見込まれます。

(注1)台湾中央通訊社 報道(2022年3月31日発表)

(注2)  グリーンピース・ジャパン プレスリリース(2021年5月6日発表)

(注3)  エレン・マッカーサー財団 REUSE (2019年6月発表)

(注4)  Upstream Reuse Wins (2021年6月発表)