国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は本日、トヨタ自動車が、2035年までに西欧で販売するすべての新車のCO2を100%削減を目指すと発表したとの報道*1を受け、以下の声明を発表しました。

グリーンピース・ジャパン 気候変動・エネルギー担当 ダニエル・リード

これまで電気自動車(BEV)には難色を示していたトヨタが、脱炭素化へ具体的な一歩を踏み出したことを歓迎します。完全ではないものの、このような野心的な目標を設定することで、自動車業界の脱炭素化を促進することができます。

この新しい目標は、国際エネルギー機関(IEA)の最近の勧告*2と一致しているものの、西欧以外の他国の販売施策については言及していません。他の市場では、トヨタの電動車の定義は、化石燃料車のハイブリッド車とプラグインハイブリッド車が含まれており、ゼロエミッションビークル(ZEV)ではありません。2020年のトヨタの世界販売台数のうち、ZEVはわずか0.12%であり、また、欧州市場での販売台数は世界販売台数の約11%*3に過ぎません。この新しい目標を掲げても、トヨタ全体としては、2050年までにカーボンニュートラルを達成することはできません。

規制に振り回されるのではなく、トヨタはZEVでも世界的なリーダーとなるチャンスです。自動車業界には資源リサイクル、脱炭素化生産、ゼロエミッション輸送などの問題が山積していますが、トヨタには解決する開発力があります。それを実行するかどうかは、トヨタ次第です。

*1: Bloomberg「Toyota Flashes a Green Light for Electric Vehicles in Europe」https://www.bloomberg.com/news/newsletters/2021-12-02/toyota-flashes-a-green-light-for-electric-vehicles-in-europe?cmpid=BBD120221_hyperdrive&utm_medium=email&utm_source=newsletter&utm_term=211202&utm_campaign=hyperdrive

日本経済新聞「トヨタの脱炭素、規制強まる欧州から 35年全車排出ゼロ」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR02F130S1A201C2000000/

*2: IEA 「Global EV outlook 2021」

https://www.iea.org/reports/global-ev-outlook-2021/trends-and-developments-in-electric-vehicle-markets

*3: Toyota https://global.toyota/jp/company/profile/production-sales-figures/