国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は11月10日、イギリス・グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)にて、同日発表された交通関連の声明を受け、以下の声明を発表しました。

昨年10月に2050年までに二酸化炭素排出を実質ゼロに抑える発表と法制化を実施したにもかかわらず、日本政府はその公約を実現する道を歩んでいません。トヨタをはじめとする自動車メーカーも日本政府と共に「カーボンニュートラル」を実現する意思を示したものの、グラスゴーでの言動1をみると、自分たちの言葉に確信が持てず、約束を守れていないことを示しています。

今月、グリーンピース東アジアが公開した調査報告書2では、トヨタはゼロエミッション車への移行の遅れなどから、世界トップ10社の自動車メーカーの最下位に位置付けられました。2020年に販売したゼロエミッション車(BEVとFCEV)は総合販売数の僅か0.12%に留まっており、化石燃料車(内燃機関、ICE)廃止計画についても言及していません。

グリーンピース・ジャパン プログラム部長、高田久代
「日本は真に持続可能な理想に基づいて、グリーンな雇用と豊かな経済を生み出す機会を持っていますが、現状では、日本は世界の舞台で行動を起こさずに遅れをとっています。私たちは、日本政府とトヨタの双方が、ハイブリッド車を含む化石燃料車を率先して廃止し、日本における再生可能エネルギーの普及を促進するために、より先進的な行動をとることを強く求めます。」

本年5月に国際エネルギー機関(IEA)は、1.5度の気温上昇の軌道にとどまるためには、2035年までに化石燃料車の新車販売禁止3の必要性を指摘しました。また、日本の気象庁は2000年以降、日本では毎年平均気温を上回っており、直近の7年間は1890年に記録が始まって以来最も高い気温であったことを発表しました4

二酸化炭素排出の実質ゼロを実現するために、ゼロエミッション車と脱炭素化された交通社会への転換は不可欠な要素です。しかし、今回の日本政府や産業界の失敗は、彼らの美辞麗句が空虚な言葉に過ぎないことを示唆しています。

以上

1:https://www.gov.uk/government/publications/cop26-declaration-zero-emission-cars-and-vans/cop26-declaration-on-accelerating-the-transition-to-100-zero-emission-cars-and-vans#signatories
2:https://www.greenpeace.org/eastasia/press/7006/toyota-ranks-last-among-global-carmakers-for-decarbonization-greenpeace-report/
3:https://iea.blob.core.windows.net/assets/deebef5d-0c34-4539-9d0c-10b13d840027/NetZeroby2050-ARoadmapfortheGlobalEnergySector_CORR.pdf
4:http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/sep_wld.html