国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、訪米中の菅義偉首相が米国現地時間の16日、バイデン米大統領と首脳会談を行い、気候変動対策での連携強化について合意したことを受け、以下の声明を発表しました。

グリーンピース・ジャパン プログラム部長、高田久代
「今回の日米首脳会談では、『日米が世界の脱炭素をリードし、パリ協定の履行に向けて協力する』との言及にとどまり、2030年までの温室効果ガスの中期削減目標の引き上げは示されませんでした。

世界的な気候変動の影響が顕在化する中で、日本は国内外から自然エネルギー導入拡大やNDC(国別削減目標)に高い目標設定の必要性を指摘されています。米国は既に来週の気候サミットまでに NDCの引き上げを発表することを約束しています。日本政府には、現行の低すぎる中期削減目標(注1)の引き上げや、石炭火力の輸出支援停止など、国際社会の気候危機対策や脱炭素の動きを加速させるような、踏み込んだ気候・エネルギー政策の見直しや目標引き上げを表明することを期待します」

グリーンピースなど国内外のNGO10団体は4月16日(日本時間)、今回の日米首脳会談に先立ち、日本の主要自動車メーカー(トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業)に公開状を送り、日本の削減目標引き上げや電力ミックスに占める自然エネルギーの割合を増やす政府方針を支持するかを問いました(注2)。日本の自動車産業は、大きな経済的影響を持つだけでなく、重工業の大部分を占めており、脱炭素化において厳しい課題に直面しています。

以上


(注1)日本の現行目標は、2030年までに2013年比で26%削減。2030年までにEUは55%、英国は68% (1990年比)、中国は65%(2005年比)削減すると既に発表。米国も50-60%(2005年比)削減目標を発表すると報道されている。

(注2)グリーンピースなどNGO10団体、自動車大手3社に公開状送付