国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は、2030年までに地球上の陸と海の少なくともそれぞれ30%を保護するという目標を掲げる「自然と人々のための高い野心連合(High Ambition Coalition for Nature and People)」に日本が参加(注1)したことを受けて、以下の声明を発表しました。これまで、2030年までに公海の30%を保護する国際目標(30×30)に同意していなかった日本が、同様の目標を掲げる連合への支持を明らかにしたことは、今回が初めてです。

同連合は、1月11〜12日に仏大統領府、国連、世銀の主催でオンライン開催された、気候変動と生物多様性対策を協議する「ワンプラネット・サミット」で発足し、日本政府も参加を決めました。

グリーンピースは、2030年までに公海の30%を海洋保護区とすること(30×30)を目指す取り組みを、2019年から世界各国で展開してきました。300万人を超える人々が署名に賛同し、人々の声を元に各国政府への働きかけを行ってきました(注2,3)。日本でも、2020年の3月に、グリーンピース・ジャパンはオーシャンアンバサダーの小野りりあんさんと共に、集約した署名(当時8,245筆)を環境省に提出しました。

グリーンピース・ジャパン 気候変動・エネルギー担当  関根彩子

「猛威を増す気候危機のもとで、海洋そして陸上の生態系の健全性を守り回復させることは、気候を安定化させるためにも、また新たなパンデミックを防ぐためにも不可欠です。

日本はこれまで30×30の保護目標を支持できずに来ましたが、今回、陸上と海洋の生態系のそれぞれ最低30%を保護するという目標をかかげる連合に参画し、30%の保護目標を初めて公式に支持したことは極めて重要な一歩です。2021年は、5月に生物多様性条約のCOP15が予定され、また8月には世界海洋条約(BBNJ新条約)の成立が期待される最終交渉会議があります。これらの場で日本が、世界のリーダーの一員としての責任を果たし2030年までに陸と海の30%を保護する公約を実現することが期待されています」

(注1)High Ambition Coalition for Nature and Peopleのプレスリリース
(注2)2030年までに世界の海の3分の1以上を保護区に ーー北極から南極まで船で地球をめぐる探査を開始
(注3)国連で世界の海をまもる歴史的なチャンス