国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)とグリーンピース・東アジアは本日、日本、中国、韓国の6つの公的開発銀行(注)にあてて、公開書簡を送付しました。国外のエネルギープロジェクトへの融資について、気候変動への取り組みを拡大する機会となる「ファイナンス・イン・コモン・サミット」を前に、海外でも国内と同様の基準を適用するよう求めています。

11月9日〜12日にパリで開催される同サミットは、毎年開催されている公的開発銀行(PDB)の世界的な会合です。今年は、短期・長期の投資効果の調整、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた協力、2021年のCOP26、COP15、世代間平等フォーラムに向けた準備について話し合われる予定となっています。


グリーンピース・ジャパン事務局長のサム・アネスリーと、グリーンピース東アジア事務局長のパン・チャン・ゼィは公開書簡で、「アジアにおける気候変動対策に精通している人なら誰もが、公的融資とその政治的な重要性や、日本、中国、韓国の公的開発銀行が海外の新規石炭・天然ガス火力発電所を支援していることについて、耳にしているでしょう。これらの公的融資事業の環境への影響は明確になっており、受取国からも国際な投資家からも、「石炭への短期投資をすぐに停止しなければ、各国政府が掲げている長期的な気候目標の約束を破ることになる」という声がますます高まっています」と指摘しています。

そして、日・中・韓3カ国の公的投資銀行に対し、国内だけでなく海外でも二酸化炭素排出実質ゼロの約束を実行し、石炭火力発電所への支援を禁止する政策を打ち出し、現在、公共投資が化石燃料に大きく偏っている受入国が、再生可能エネルギーに移行するための資金調達を約束するよう求めています。

以上


(注)公的開発銀行は、国内外の経済発展のために政府の政策の目的達成を目指す公的金融機関。商業銀行や保険会社とは異なり、公的開発銀行の明確な目標は利益ではなく、保証や譲許的融資(緩やかな条件での融資)などのサービスの提供を通して、政策的課題の解決につなげることができる。