国際環境NGOグリーンピース(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、国内在住の1000人を対象とした「コロナ禍と暮らしや環境問題への意識に関する調査」の結果を発表しました(注1)。

新型コロナウイルス感染症の流行の前に比べて、環境問題や環境に配慮した持続可能な暮らしに、より関心を持つようになった人は53.4%。「前から関心があり、程度はあまり変わらない」は23.9%で、環境問題への関心を持つ層が、8割近くに上ります。また、日本も、欧州等で進む「環境に配慮した社会・経済の仕組みにすることで、コロナ禍からより良く復興するためのグリーンリカバリー(緑の回復)などの施策を推進すべき」と思う人は、74.3%を占めました。

政府や企業は、人々の意識の変化を受け止め、深刻化する気候危機やプラスチック汚染等に真摯に取り組み、より良い復興を目指すことが求められます。

図:  日本も、「環境に配慮した社会・経済の仕組みにすることで、コロナ禍からより良く復興するためのグリーンリカバリーなどの施策」を推進すべきと思いますか。


<調査結果概要>

  • 新型コロナウイルス感染症の流行の前に比べて、環境問題や環境に配慮した持続可能な暮らしに、より関心を持つようになった人は、「非常に当てはまる」「ある程度当てはまる」を合わせて53.4%。「前から関心があり、程度はあまり変わらない」は23.9%、「関心がない」「分からない」は、22.7%
  • 最も関心の高いテーマは、「気候危機・気候変動・地球温暖化」55.9%、ついで、「プラスチックごみ問題」44.4%、「ものを大切にすること」42.9%、「感染症と環境問題の関係」40.6%、 「大気汚染」30.5%。なお、コロナ禍を機に、環境に関心を持つようになったグループでは、もっとも関心の高い項目は「感染症と環境問題の関係」51.3%
  • コロナ禍を機に、買い物をする際の意識や行動は変わった人は、「非常に変わった」「ある程度変わった」を合わせると66.8%。どのように変わったかについて、もっとも多かった回答は、「あまり買い物をしなくなった・必要かどうかよく考えて買うようになった」59.6%、ついで、「オンラインでの買い物や宅配が増えた」37.0%、「衣服の購入が減った」35.9%、「できるだけ国産のものや地元産のものを選んで買うようになった」27.5%、「環境に配慮した商品やサービスを選ぶようになった」14.4%
  • 日本も、欧州等で進む「環境に配慮した社会・経済の仕組みにすることで、コロナ禍からより良く復興するためのグリーンリカバリー(緑の回復)などの施策」を推進すべきと思う人は、「非常にそう思う」「ある程度そう思う」を合わせて74.3%
  • 「環境問題や環境に配慮した持続可能な暮らしに、より関心を持つようになったか」「買い物をする際の意識や行動は変わったか」「グリーンリカバリーなどの動きを日本でも推進すべきと思うか」「気候危機や自然破壊により、感染症リスクが高まることについて不安かのいずれの設問でも、男性よりも女性のほうが、「当てはまる」「そう思う」と回答した割合が高かった

グリーンピース・ジャパン 広報担当  城野千里

「コロナ禍を機に、人々の意識は確実に変化しています。環境問題や環境に配慮した暮らしに、前より関心を持つようになった人々が半数を超え、そうした人々のもっとも関心の高い項目は『感染症と環境問題の関係』でした。気候危機や森林破壊によって、感染症リスクが高まると多くの専門家が指摘しています(注2)。コロナ禍は、自然の恵みを限界まで搾取してきた人間活動への最後の警告と言えます。今こそ、気候危機をはじめとする環境問題に本気で取り組む社会・経済をつくる時です。環境に配慮した社会・経済の仕組みにすることで、コロナ禍からより良く復興する施策を全体の7割以上もの人が求めています。グリーンピースは、日本でのグリーンリカバリーの実現をめざし、政府と企業への働きかけを続けます」

<調査概要>
対象:国内在住の1000人を対象に18~79歳で10代刻み。男女の人口構成比に合わせて実施
地域:すべての都道府県
方法:グリーンピースが楽天インサイト株式会社に委託してオンラインで実施
時期:2020年10月9日(金)〜2020年10月11日(日)
有効回答数:1000人

(注1)コロナ禍と暮らしや環境問題への意識に関する調査
(注2)新型コロナ感染症と気候変動の関係は?(グリーンピースブログ)