©︎Taishi Takahashi/Greenpeace

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は本日、モーリシャス沖で座礁した貨物船による重油汚染事故をめぐり、船を手配した株式会社商船三井(東京都港区)と、船主の長鋪汽船株式会社(岡山県笠岡市)に対し、事故を起こした企業として、社会的責任を果たすよう求める緊急のオンライン署名を開始しました。

緊急署名では、両社に対し(1)汚染者負担原則にのっとった十分な補償(2)第三者による調査の費用負担と公開(3)事故を起こした航路の使用中止(4)化石燃料からの撤退ーの4点を求めています。集まった署名は、商船三井と長鋪汽船に提出する予定です。

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また、グリーンピースは25日朝、商船三井本社前で、事故の当事者として社会的責任を徹底するよう求めるメッセージを掲げました。黒いシャツ、マスク、ゴム手袋を身につけたスタッフらが、約30分間、「企業の責任は法的義務で終わりじゃない」とのメッセージや、モーリシャスの写真が印刷された計3枚の横断幕を手に、汚染を繰り返さないために、より踏み込んだ対応をとるよう訴えました。

グリーンピースは今月14日、商船三井と長鋪汽船に、補償、調査、航路見直し、化石燃料からの撤退の4点を求める公開状を提出し、20日に両社から文書で回答がありました。損害対応や、調査協力、再発防止などに取り組むとする一方、再発防止に必要な、航路の見直しや化石燃料からの撤退については明確に言及されていません。


グリーンピース・ジャパン 気候・エネルギー担当、関根彩子
「貨物船が座礁して1カ月が経過しますが、現地では懸命な油の回収が続いています。さらに、モーリシャス政府が割れた船体の前半分を海中に投棄し、重金属などによるさらなる汚染が懸念される事態となっています。
今回の事故による汚染が環境や人々の暮らしに与える影響は、計り知れません。こうした油流出事故が何度も繰り返されていることが示すように、法令上の義務や国際的な慣行に従うだけでは、再発防止の実現は難しいといわざるを得ません。
商船三井と長鋪汽船は、何が汚染を引き起こしたのか、事故の当事者である自分たちが何をすべきなのかということを認識し、企業としての社会的責任を果たすべきです」


関連資料・リリース

モーリシャス政府の貨物船投棄計画に対する警告(8月20日)

商船三井・長鋪汽船への公開状(8月14日)

▽両社からの回答(8月20日)
商船三井
長鋪汽船