国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、7月1日から全国の小売店でレジ袋有料化が義務づけられるのを前に、本日以下の声明を発表しました。

グリーンピース・ジャパン プラスチック問題担当 大舘弘昌
「政府が『プラスチック資源循環戦略』を策定して1年が経ちます。政府の議論はリサイクルと代替素材に終始しており、肝心な使い捨て容器包装の総量をいかに大幅に減らすか、そのためのリユースの仕組みをどうするのかという議論は放置されています。政策を進めていく上での象徴とされていたレジ袋規制は有料化に留まり、さらに例外規定を設けたことで、レジ袋の無料提供を続ける企業も出てきました。

いま主要国の議論は、レジ袋の有料化ではなく禁止の段階に、また使い捨てプラスチック製品全体を段階的に規制する時期に入っています。日本でも京都府亀岡市でレジ袋が2021年より禁止されるほか、東京都が『プラスチック削減プログラム』を策定するなど、政府より一歩進んだ使い捨て容器包装全体を見直す議論や取り組みが始まっています。日本政府は自治体任せにせず、グローバルな急務として、日本の脱使い捨てプラスチックの取り組みを加速させることを望みます」

各国・地域のレジ袋規制と使い捨てプラスチック削減に関する計画 

EU2015年、加盟国に2025年末までに1人当たりレジ袋年間消費量を40枚以下とするよう義務付け。2018年末までに小売店でのレジ袋無料配布を禁止を義務づけ(超軽量ビニール袋は免除)。2018年、一般利用されている10品目の使い捨てプラスチック製品の流通を2021年から禁止する法案を可決
英国2011年ウェールズ、2013年北アイルランド、2014年スコットランドで、プラスチック袋が有料化され、2015年イングランドで、従業員250人以上の小売業者を対象に有料化。2020年3月より英国政府はプラスチック製のストロー、マドラー、綿棒を禁止に
ドイツ小売連盟が2016年より、加盟小売店にレジ袋有料化を義務付け。2021年から使い捨てプラスチック製のカトラリー、皿、マドラー、ポリスチレン製カップなどが禁止に
フランス2016年より、厚さ0.05mm未満、容量10リットル未満のレジ袋の提供禁止(バイオマス原料の生分解性プラを含む)。2017年から、肉や魚など生鮮食品用の包装は家庭で堆肥化できるバイオマス原料のもの以外は禁止に。2020年1月より、使い捨てプラスチックの食器類や容器等が禁止に。2040年に使い捨てプラスチックの市場への投入禁止を目指す
イタリア1989年よりレジ袋を課税。2011年より小売店での生分解性以外のプラスチック製レジ袋の配布を禁止。2018年、スーパーマーケットや青果店での生分解性軽量プラスチック袋について消費者に課税
中国2008年、小売店を対象に無料のプラスチック袋配布を禁止し、超薄型のプラスチック袋の生産も禁止。2020年1月、2025年までの使い捨てプラスチック製品の生産・販売・利用の段階的制限と禁止の計画を発表し、2020年末までに主要都市での非分解性の袋の使用禁止、2022年までにすべての市と町での禁止を決定
台湾2002年より政府機関、私立学校、百貨店、量販店、スーパー、コンビニ、ファストフードなど7分野でレジ袋の使用を段階的に制限。2018年に、対象範囲を小規模な小売店などを含めた14分野に拡大。2030年までにビニール袋、容器、飲料カップなどの使い捨てのプラスチック製品撤廃をめざす
韓国2003年より、33平方メートル以上の店舗でのレジ袋の無料配布を禁止(B4サイズ未満は除外)。2019年より大型のショッピングモールやスーパーマーケットで使い捨てプラスチック袋の使用を禁止。2030年までに販売における使い捨てプラスチック袋の全面禁止をめざす
米国カリフォルニア州で、2015年より大型の日用雑貨店や薬局でレジ袋の配布禁止、2016年からコンビニエンスストアや酒店に適用。ニューヨーク州は2020年3月から小売店や食料品店などで使い捨てプラスチック製レジ袋の使用を禁止(コロナ対策のため6月15日まで強制措置はなし)
カナダ2019年、使い捨てプラスチックの2021年までの段階的禁止を発表
オーストラリア2018年、2州を除く全州でレジ袋が使用禁止に。レジ袋を提供した大手小売店は罰金を科される
※グリーンピースのグローバルなデータベース、各国政府の発表資料、報道情報等をもとにまとめた

参考資料:レジ袋有料化、プラごみ問題解決には程遠く(プレスリリース、2019年12月)