国際環境NGOグリーンピース・インターナショナル(本部オランダ)は、本日29日、第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)に先立ち、以下の声明を発表しました。

世界各国のリーダーたちは科学的に予測された気候の緊急事態を収拾できないのではないか、という世界的な疑念が高まるなか、COP25はリーダーたちにとって、その疑念を払拭する機会です。 気候正義を実現し、暴走する気候変動による何十億人もの人々への人権侵害を防ぐために、政府はパリ協定の実施ルールの策定を完成させ、気温上昇を1.5度に抑える必要があります。



【COPで各国政府に求められること】

IPCCの切迫した警告や最近の国連環境計画の『排出ギャップ報告書』を受け、各国のリーダーは、その約束を行動に移す時です。以下の点が重要です(注1)。

  • 気候変動の行動目標を早急に強化し、2020年内の削減目標(自国が決定する貢献「NDC」)提出に向けてロードマップを描く
  • エネルギーシフトにかかるコスト負担が、人々の暮らしに押し付けられないようにし、また、脆弱なコミュニティーが気候変動の影響に対応できるよう支援を受けられるようにする
  • 炭素市場の抜け穴によってパリ協定の意味が損なわれないようにする
  • 気候変動への取り組みを妨げる強力な採掘産業ではなく、科学と人々の声に耳を傾ける

グリーンピース・インターナショナル (本部)事務局長ジェニファー・モーガン

「今回のCOP25は、各国のリーダーたちにとって、この危機に正面から立ち向かう限られたチャンスです。これを逃してはいけません。最新の予測では、2015年のパリ協定交渉時の予想よりも、より厳しく、より急速に気候危機の影響がもたらされています。

パリ協定の中心にあるのは、協定が新しい科学に対応できるように歯止めをかける仕組みで、COP25ではそれを実現するための条件を生み出す必要があります。パリ協定を批准した国のリーダーたちは、COP25でのこれらの交渉を2020年に向けた飛躍の場とし、来年、野心的でより高い各国目標を提出するためのロードマップを示す必要があります。 リーダーたちは、利益を重視する強力な業界勢力ではなく、最も危険にさらされている脆弱なコミュニティーに関心を寄せ、より大きな野心を持って、ただちに行動する必要があります」


【グリーンピースの注目点】

グリーンピースは、特に、参加国がどれだけ野心的な気候危機対策を約束できるかに期待しています。その中でも、各国が石炭火力やその他の化石燃料を利用する火力発電から脱却し、自然エネルギーへシフトするための新しい取り組みが注目されます。

また、COP25は「ブルーCOP」とも言われ、さまざまなサイドイベントで海洋保護に関連する取り組みが議論されます。 グリーンピースの担当チームにはグローバルな海洋専門家もおり、取材や情報提供に対応できます。グリーンピース・ジャパンは、『海洋・雪氷圏に関するIPCC特別報告書』の重要ポイントをまとめた資料の日本語版を作成しました(注2)。

【ご参考】
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(注1)COP25にグリーンピースが期待することはこちら(英語)
(注2)『海洋・雪氷圏に関するIPCC特別報告書』の重要ポイント