「ゼロエミッション東京」の認知度向上などを盛り込んこんだ提言書を東京都の担当者に手渡すグリーンピース・ジャパンの鈴木かずえ(右)=2019年11月27日、東京都庁

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、本日11月27日、地球温暖化の主な要因となる二酸化炭素(CO2)排出ゼロを目指す東京都のビジョン「ゼロエミッション東京」をめぐり、認知度は32.5%にとどまる一方、支持すると答えた人は88.3%に上るなど都民1000人を対象にしたアンケート結果を発表しました。12月に予定されている「ゼロエミッション東京戦略」の発表を前に、アンケート結果を基に要望書を東京都環境局に提出し、「ゼロエミッション東京」の認知度の向上やより具体的な中間目標の策定、都民や企業等が参加・貢献できる仕組みづくりなどについて要望しました(注1,2)。

■ 背景

2019年5月に開かれた国際会議「Urban20(U20)」の年次会合で、小池百合子都知事は都内の二酸化炭素(CO2)の排出量を2050年に「実質ゼロ」とする長期目標「ゼロエミッション東京」を宣言しました(注3)。気候変動対策が緊急性を増す中、政府機関や企業の本社が多く集まる東京都のゼロエミッション目標は、政府による野心的な削減目標設定のメッセージとなり、企業や全国の自治体による気候変動対策を促すなどの波及効果も期待でき、日本全体を2050年までにカーボンニュートラルへと大きくシフトさせうる高い潜在性があります。

 ■ 調査結果の要旨

  • 「ゼロエミッション東京」を知っていた人は、32.5%、知らなかった人は67.5%
  • 知っていた人、知らなかった人を合わせて、「ゼロエミッション東京」について88.3%が支持すると答えた。
  • 「ゼロエミッション東京」を達成するためのステップとして期待することは「都内で使う電力で再生可能エネルギー100%達成するという中間目標」が33.5%で最多。続いて「2030年、2040年などの中間目標」「個人やコミュニティ、企業などが取り組むべき具体的目標」がそれぞれ31.8%
  • 「ゼロエミッション東京」の目標達成のために貢献したい人が85.3%

グリーンピースのエネルギー担当、鈴木かずえは、「グリーンピースは、東京都のイニシアティブを応援し、具体的な行動計画の策定に期待しています。目標達成のためには、事業者や自治体、そして1,300万人以上の都民の理解と支持、行動が必須です。グリーンピースもその一員としてゼロエミッション東京の実現に主体的に取り組んでいきます」と話しました。

(注1)要望書

(注2)調査結果  楽天インサイト株式会社に依頼し、2019年11月6日から8日に実施したオンラインアンケート
対象:18歳以上〜70代までの都内在住者のうち、「地球温暖化の主な原因が、人類が石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料を燃やすことによって発生する二酸化炭素であると聞いたことがある」男女1000人を対象とした。対象者の出現率は87%だった。
割付け:18歳以上と20代、および30代から70代までの男女・年代均等割とした。