国際環境NGOグリーンピース(本部オランダ・アムステルダム)は、昨日4日より、アマゾンの森林火災をめぐり、ファストフード大手の、マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、バーガーキングに対し、アマゾンおよびブラジル全体の環境破壊に関連する製品を拒否するよう求める国際署名を世界中で開始しました。グリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は、「【国際署名】アマゾンの森を一緒に守って」を本日開始しました。

 

■ブラジル大統領とファストフード企業の責任

9月3日にブラジル国立宇宙研究所(INPE)が公開した最新の資料によると、ブラジル領のアマゾンでは8月中に、多くの新たな森林破壊を含む、250万ヘクタール近くの土地が焼失しました(注1)。アマゾンでの火災の件数は、ブラジルのボルソナロ大統領の就任以来111%増加しました(注2)。

ファストフード企業は、ブラジルの森林破壊を引き起こす製品である牛肉と大豆(家畜飼料に使用)の重要な消費者です(注3)。また、新興市場および世界中で肉製品を積極的に販売推進することにより、肉製品の新しい需要を喚起しています(注4)。マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、バーガーキング、その他のファストフード企業は、森林破壊ゼロ方針を掲げていますが、約束を果たせていません

 

■アマゾン森林火災をめぐる企業の動き

他の業界では、ティンバーランドとノースフェイスの所有企業である米大手アパレルメーカーVF Corporationが、自社の製品に使用されている材料がブラジルの環境破壊に寄与しないと確認されるまで、ブラジルからの革製品の購入を保留すると発表しました(注5)。ノルウェーの金融機関大手のNordea Asset Management、Storebrand ASA、およびKLPは、ブラジルへの投資を監視または制限する取り組みを発表しました(注6)。

 

■本日9月5日、Amazon Day

ブラジル最大の先住民協会APIBからの呼びかけに応じて、本日5日、世界中の人々がAmazon Day(アマゾン保護のために行動する日)に参加することが期待されます(注7)。アマゾンの問題はまた、9月23日にニューヨークの国連本部で行われる気候行動サミットや、それに関連して世界中で大規模に行われる9月20日と27日の気候マーチに向けて、重要な課題になると予想されています。グリーンピースは、政治家や企業に行動を求

めることに加えて、個人が肉や乳製品の消費を減らすことでも、アマゾンやその他の脅威にさらされている生態系に対する長期的な圧力を緩和することができると考えています。

 

■グリーンピース・ブラジルのキャンペーン・ディレクター、ティカ・ミナミ(Tica Minami)

「企業が環境破壊を容認し、気候変動を悪化させる製品を許容し続ける限り、ブラジルのボルソナロ大統領は、環境保護への反対という姿勢を貫くことができます。いま私たちは危機的状況に直面しています。アマゾンなしでは気候を守ることはできません。影響力のある企業が、悠長に沈黙していることは許されません。マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、バーガーキングが、ブラジルの先住民と地球上のすべての人々のために、ボルソナロ大統領政権下での森林破壊の増加に反対の立場を明確にするよう求めます」

出典:

注1) 正確には24,944 km2(INPE(ブラジル国立宇宙研究所)ウェブサイト

注2)2018年の同時期と比較して、1月1日から8月31日までの間(INPE

注3)マクドナルドは、ブラジルからの調達を含め、世界最大規模の牛肉の買い手ヨーロッパのマクドナルドは、ブラジルからを含む輸入大豆を使った鶏肉を購入すると報告されている

注4)マクドナルドは2022年までに2,000の新しい店舗をオープンすることで、中国での存在感をほぼ倍増する計画インドに進出した最初のグローバルファーストフード大手KFCは、現在380店舗を展開当初はベジタリアンメニューを宣伝する予定だったが、鶏肉の販売を拡大するためにこれらの計画を放棄

注5)ロイター報道。世界最大のサケ生産者のMowi ASAはブラジル政府がアマゾンの森林破壊を抑制しない限り、ブラジルからの購入を停止すると表明

注6) Nordea Asset Managementは、ブラジル国債の購入を一時停止
Storebrand ASAと年金基金KLPは、ブラジルのアマゾンの環境破壊に寄与しないように企業に呼びかけ

注7)Amazon Dayのウェブサイト