[ブラジル・マナウス 8月24日]国際環境NGOグリーンピース・ブラジルは、過去3週間に渡り、継続しているアマゾン熱帯雨林の火災の様子を、ブラジル北西部ロンドニア州とパラ州で上空から撮影した写真を公開しました。また、グリーンピースの各国事務所は、森を故郷とする人々の土地であり、地球の気候を安定させてくれている世界最大の熱帯雨林であるアマゾンを守るように、ボルソナロ大統領に伝えるため、緊急署名「アマゾンを先住民族の人々と一緒に守ろう」(注1)を開始しました。

今回の火災は、近年のアマゾン熱帯雨林で最も大きな破壊のひとつで、火災は生物多様性、先住民コミュニティ、そして世界中の気候を脅かしています。 2019年1月から8月だけで、この地域の森林火災の件数は、2018年の同時期と比べて145%に増えています(注2)。

グリーンピース・ブラジルのアマゾン担当キャンペーナーDanicley Aguiarは「手遅れになる前に、この悪循環に終止符を打つことが緊急に求められています。私たちは先週金曜日、炎に包まれる森を上空から撮影しました。そこで見たのは、煙に囲まれた広大な森林破壊の現場と、熱帯雨林を侵食する工業的農業の進展という、ボルソナロ大統領の反環境政策の結果でした」と語りました。

 

アマゾンでは、火災と森林破壊が密接に関係しています。今年、75%のホットスポット(47°Cを超える温度が記録された場所)は、2017年に森林であった地域で発生しました(注3)。森林破壊は気候変動と関係し、アマゾンでの森林破壊と火災の増加は、温室効果ガスの排出と地球温暖化の加速を意味し、異常気象をより強く危険なものにし、森林、生物多様性、食料確保と人間の健康をさらに脅威にさらします。

グリーンピース・ブラジルの公共政策コーディネーター、Márcio Astriniは、「森林には限界があり、私たちは危険なほどそこに近づいています。さらに、森林破壊はブラジルの経済だけではなく、地球の気候を損ない、地球上のあらゆる生命を危険にさらします。この森林破壊を終わらせるために行動を起こすことは全ての人々が目指すべきことであり、国のリーダの義務でなければなりません」と訴えました。

*フォトグラファー、Victor Moriyama氏が撮影した煙に囲まれた広大な森林破壊の現場の写真はこちらからダウンロードできます。

(注1)緊急署名「アマゾンを先住民族の人々と一緒に守ろう」グリーンピース・ジャパンのページ

(注2)Banco de Dados de Queimadas
(注3)Of the 23,006 hot spots recorded in the Amazon in the first 20 days of the month, 15,749 used to be forest or recently deforested areas, 5,445 in pasture areas, 832 in natural formation and 602 in agricultural areas. Of the 6,295 heat sources recorded in the week of 16 August to 22 August, 1,201 (19%) were in Conservation Units and 364 of those (6%) in Indigenous Lands.