国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、本日31日、南極海で調査捕鯨を行なっていた日本の船団が帰港したことを受け、下記の声明を発表しました。

 

「いま、私たちの海とその生態系は、気候変動による海水温上昇や酸性化、魚を根こそぎにする工業的な漁業やプラスチック汚染など、多くの危機に直面しています。

 

海に暮らすクジラも、気候変動や工業的な漁業の巻き添えとなる混獲(こんかく)や、プラスチック汚染などに大きく影響を受けています。これらの抜本的な解決は時間を要する一方、商業捕鯨など、すぐに取り除くことができる脅威もあります。

 

個体数の回復に時間がかかるため、クジラの商業利用は、国際捕鯨委員会(IWC)により、1986年から国際的に禁止されています。海にはまだ解明されていないことが多くあります。グリーンピースでは、科学的な証拠が十分でないときは慎重に扱うべきとの予防原則に基づき、商業捕鯨は再開すべきではないと考えています。

 

商業捕鯨の再開により、日本が国際社会の信頼を失うのは非常に残念なことです。グリーンピースは、日本政府が国際法を遵守し、国際社会との対話努力を続けることを求めます。

 

気候変動や海洋汚染などの脅威から、あらゆる生命、そして海と共に生きる私たちの暮らしを守るため、2030年までに日本を含めた世界の海の30%を保護区に制定することが必要です。」