国連人権理事会で特別報告者が、日本政府に福島第一原発事故の除染政策の見直しを求めるーーグリーンピースは支持を表明

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、昨日9月12日(スイス現地時間)、国連人権理事会が任命した「特別報告者」の専門家が、第39回国連人権理事会本会合(ジュネーブ)で、福島原発事故の除染政策の見直しを求めたことを受け、強い支持を表明しました。

有害物質及び廃棄物の環境面での適切な管理及び廃棄の人権への影響に関する特別報告者(有害廃棄物特別報告者)であるバスクト・トゥンカック氏は、「私は、日本はその力をもって、福島の当該の発電所であろうと周辺の地域であろうと、福島で修復作業に従事するすべての労働者を労働由来の被ばくから守るためにあらゆることをすべきだと思います」と述べ、ICRP(国際放射線防護委員会)の正当化原則に基づいて労働者を被ばくさせ続ける政策を見直すべきだ、つまり、住民の意見を聴くこと、低い住民の帰還率を考慮して、除染で支払われる代償と除染で得られる便益を比較したうえで、除染が正当化できうるかを検討することを日本政府に求めました。

グリーンピース・ジャパン、エネルギー担当の鈴木かずえは、「グリーンピースは特別報告者から日本政府へのこの要望を支持します。現在、政府は除染に巨額を投じ、被ばく労働を生む一方で、数千人もの避難者は、政府からの帰還圧力を受けています。グリーンピースは、このような人権侵害を生み出す原発から、人と地球に配慮した持続可能な自然エネルギーへのシフトを市民とともに目指します」と語りました。


【参考】
トゥンカック特別報告者の第39回国連人権理事会での福島関連発言部分(英語)

・トゥンカック特別報告者は、8月16日付けで健康の権利、現代的奴隷についての特別報告者らと共同で、東京電力福島第一原発事故の除染作業で搾取され、被ばくしている数万人の労働者をまもるために日本政府は緊急に行動しなければならないとする声明を発表しています。
Japan: Fukushima clean-up workers, including homeless, at grave risk of exploitation, say UN experts
OHCHR

・この声明に対し、日本政府は「遺憾だ」とコメントしたと報道されています。
福島第一原発の除染作業員の安全守る対応を 国連特別報告者(NHK, 8月17日)

・グリーンピースは福島原発事故の人権侵害について、福島のお母さんたちと国連人権理事会で訴えるなどの活動などを行っています。
国連の福島勧告、政府は「同意しただけ」にせず、施策への即時反映をーー原発事故被害者とグリーンピースが国連人権理事会で演説(グリーンピースプレスリリース、3月19日)