国際環境NGOグリーンピース・ノルディックら3つの環境保護団体が、北極圏における新たな石油採掘権の認可をめぐり、ノルウェー政府に対して起こした訴訟につき、裁判所は2018年1月4日(ノルウェー現地時間)、その判決を言い渡しました(注1)。
裁判所は、ノルウェー政府による石油採掘権の認可は憲法違反ではないが、「健康的な環境を享受する権利」は憲法により保護されるもので、政府はこれを認めなければならないとしました。その判決を受け、グリーンピース・ノルウェーの担当者Truls Gulowsenは下記のように述べました。

「『健康的な環境を享受する権利』が判決で認められたことは喜ばしいことです。一方で判決は、パリ協定と一刻も早い気候変動対策が必要な地球の現状を無視しており、非常に遺憾です。

この判決は、基本的な人権と健康的な環境を享受する権利をめぐり、政府に訴訟を起こしている世界中の市民にとって、参考例となるでしょう」

グリーンピースは、北極の石油採掘をとめるため、オンライン署名「石油よりいのちを選ぼう」を実施し、世界中から50万人以上、日本からは2,297名が参加しました(注2)。

注1)判決文(ノルウェー語)

注2)署名「石油よりいのちを選ぼう」