2017/12/4 グリーンピース声明「北極を守るための歴史的合意を称賛」

アメリカ・ワシントンで12月1日(コペンハーゲン現地時間)、すべての商業漁業から北極海中央部の公海を保護する協定の国際的な枠組みが合意されました。アメリカ、カナダ、ノルウェー、ロシア、デンマーク、アイスランド、日本、韓国、中国、そしてヨーロッパ連合(EU)は、地中海とほぼ同じ大きさにあたる280万平方キロメートルの公海における16 年間の商業漁業の禁止に合意しました。これを受け、国際環境NGOグリーンピースは以下の声明を発表しました。

グリーンピース・ノルディック担当者 ジョン・ブルグワルド
「今回の合意は北極を保護するための歴史的な勝利です。世界最北の類まれな場所である北極は今後、破壊的な漁業から守られることになります。今回の合意を後押ししたのは、グリーンピースが2012年に開始した、北極を資源開発から守るためのキャンペーン『SAVE THE ARCTIC(北極を保護区に)』を支持した世界中の何百万人もの市民たちです。

北極海を守るための大きな枠組みが決まった一方、アメリカ、ロシア、ノルウェーなど、今回合意した国々の一部は、国連では重要な進展を阻止しています。国連が進める保護は、公海のすべての海域を守る可能性を秘めており、これらの国々はさらに一歩前に出て、公海を保護するための協定を支持する必要があります」

グリーンピースは、合意した国々を称賛するとともに、先16年間を有効に使い、商業漁業および他の資源開発から北極海中央部を恒久的に保護することへの合意を期待しています。この法的拘束力のある協定は、参加国の反対、あるいは科学的な漁業管理計画が導入されない限り、5年ごとに自動的に延長されます。脆弱な北極海の長期的な保護には、関係するすべての国々による協定の批准が不可欠です。

北極海中央部は、守りの盾である海氷が気候変動により溶け出し、漁業による増えゆく脅威にさらされています。長年氷に覆われていたこの地域の40%が、近年では氷のない夏を迎えています。

以上

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン