2017年10月2日、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は、仙台パワーステーションの営業運転開始に対する環境NGO23団体による抗議声明(以下)に賛同し、連名しました。

株式会社関電エネルギーソリューション 代表取締役社長 白井良平様
伊藤忠エネクス株式会社 代表取締役社長 岡田賢二様
仙台パワーステーション株式会社 代表取締役社長 松村幹雄様

仙台パワーステーション石炭火力発電所の営業運転開始への抗議

2017年10月2日

仙台パワーステーションは、仙台港に新たに建設した石炭火力発電所において、10月1日に営業運転を開始したことをホームページ上で公表しました。住民や環境団体はこれまで再三にわたって問題点を指摘し、環境アセスメントの実施を求め続け、2017年9月27日には、この問題に強い懸念を持つ住民124名が操業差止めを求めて仙台地方裁判所に提訴しました。この度営業運転開始に至ったことは、こうした市民の訴えを無きものと扱い、現状を直視しない極めて無責任なものです。私たち環境NGOは、仙台パワーステーションおよびその親会社である関電エネルギーソリューションと伊藤忠エネクスに対し、厳重に抗議します。

石炭火力発電所である仙台パワーステーションからは、気候変動の主因であるCO2のほか、SOx、NOx、ばいじん、PM2.5など大気汚染物質が大量に排出されることから、周辺の住民の健康が脅かされ、貴重な生態系を持つ蒲生干潟を始めとする自然環境へ悪影響を与える危険性が指摘され続けてきました。また、環境アセスメントが実施されず、詳細な情報が明らかになっていないことも大きな問題点の一つです。

事業に関する十分な情報を得ることができないままに計画が進行したことに、住民は強い疑念や不安を募らせてきました。このことは操業停止を求めて47,599名(2017年9月29日現在)が署名を行なったことや、124名が原告となって提訴したことにも表れています。

事業に懸念を持っているのは住民ばかりではありません。宮城県漁協や漁業関係者団体からは環境影響の調査を求める要望書が提出されました。郡和子仙台市長は、就任直後に徹底した環境調査を行うことを指示して貴社の事業を問題視する姿勢を示したほか、宮城県議会や仙台市議会でも本事業について厳しい意見が飛び交っています。

このような各方面からの批判の声に耳を傾けることなく、ついに営業運転に至ったことは大変遺憾であり、企業として社会的責任を果たすことを放棄していると言わざるを得ません。

2016年11月に発効したパリ協定を踏まえて世界が脱炭素社会へと向かう中、石炭火力発電所はその規模の大小に関わらず容認されるものではありません。私たちは、仙台パワーステーションが操業を停止することを強く要求します。

 

以上

特定非営利活動法人気候ネットワーク
認定NPO法人 地球環境市民会議(CASA)
京都・水と緑をまもる連絡会
国際環境NGO FoE Japan
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
石炭火力を考える東京湾の会
NPO法人環境文明21
市民電力連絡会
蘇我石炭火力発電所計画を考える会
袖ケ浦市民が望む政策研究会
NPO R水素ネットワーク
公害・地球環境問題懇談会
ソーラーエネルギー協会
電力改革プロジェクト
石炭火力を考える市原の会
環境まちづくりNPOエコメッセ
NPO法人環境生態工学研究所
横須賀石炭火力発電所建設を考える会
日本環境法律家連盟(JELF)
NPO法人 小平・環境の会
東アジア環境情報発伝所
WWF ジャパン
足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン