グリーンピース、鹿児島県に要請書提出 川内原発における鋼材強度不足の可能性を指摘、独自の検証求める

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、本日、鹿児島県原子力安全対策課と面談を行い、九州電力川内原発1、2号機の重要設備の鋼材の強度不足の可能性について指摘するとともに、独自の検証を行うことを求める知事宛ての要請書を同課に手渡しました。

強度不足の問題はフランスに端を発しており、日本鋳鍛鋼株式会社(北九州市)がフランスの原子力発電所に供給した鋼材の炭素濃度がフランスの規格をはるかに上回り、強度不足であったことが発覚しています。異常が見つかったのは、蒸気発生器や原子炉圧力容器といった重要設備で、万が一の事故の際には重大な放射能被害が生じるため、フランスでは同社の鋼材を使用した11基の原発は、詳細な検査と安全評価が終わるまで停止が命じられています。

日本鋳鍛鋼の鋼材は、川内原発1、2号機にも使われています。10月31日に九州電力が原子力規制委員会に提出した報告書では、同様の問題はないと結論していますが、グリーンピースは、日本の原発でも同様の問題がある可能性を10月25日発表の報告書で指摘しています(注1)。

グリーンピース・ジャパンは、グリーンピース・ドイツの核問題シニアスペシャリストのショーン・バーニーとともに、川内原発1号機が定期点検中であること、川内原発2号機も間もなく定期点検に入る機会をとらえ、以下を求める要請書(注2)を鹿児島県知事宛てに提出しました。

要請事項
1. 川内原発の原子炉圧力容器、蒸気発生器、加圧器の強度不足問題について、情報の収集と分析、専門家からの意見の聴取、適切な検査を求めるなど独自の検証を行なってください。

2. 川内原発の原子炉圧力容器、蒸気発生器、加圧器の強度について健全性が確認されるまで、再稼働は認めないでください。

なお、グリーンピースは、原子力規制委員会に上記報告書を提出し、現在稼動している川内原発2号機と四国電力伊方原発3号機の一刻も早い停止と、すでに再稼働が認可されている原子炉の検査、さらにはすべての原子炉の検査を実施するよう求めています。