高浜原発40年廃炉・名古屋訴訟本格スタート 第一回口頭弁論で、1,607人の顔写真横断幕を掲げ、老朽原発廃炉を訴え

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、本日13日、運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県)の廃炉を求める裁判の第1回口頭弁論に、職員が原告として参加しました。裁判開始の直前に、裁判が行われる名古屋地方裁判所前で、裁判を応援する1,607人の声を集めた「高浜原発みんなでとめよう」と書かれた横断幕(幅2.5m、高さ1.1m)を掲げました。賛同を表す意思表示をFacebookプロフィール写真で集めたこの取り組みは、グリーンピースのウェブサイトやSNSで6月13日から7月3日に行われました。

本訴訟は、国を相手どる行政訴訟で、原告団は福井県の住民らを中心とする計76名で、グリーンピースの職員2名を含みます。原告として加わったグリーンピース・ジャパンのシニア・グローバル・エネルギー担当ケンドラ・ウルリッチは、「原子力規制委員会が運転開始から40年を超えた高浜1、2号機に20年の運転期間延長を認可したことは、規制者としての責任放棄です。例えば、1974年、75年製の車を、1日24時間、フルスピードで運転したい人は稀でしょう。車体は老化し、設計も時代遅れだと危惧するからです。これと似たことを、関西電力は高浜原発で行おうとしています。放射線を浴び続けた原子炉は、通常の『機械の老化・劣化』以上の問題を抱えます。安全上重要な部品の金属疲労を起こし、脆化させ、破局的な故障につながる可能性もあります。原子力規制委員会は、運転期間延長の審査の中で、むしろ関西電力を支援してきました。これは職務の怠慢を通り越し、まさに不正行為です」と批判しました。

第1回口頭弁論では、弁護団からの陳述のほか、原告として、高浜原発の立地する福井県、裁判が行われる愛知県、東京電力福島第一原発の老朽化に取り組んできた団体の代表、そして、福島県からの避難者が意見陳述をします。「関西電力は、高浜3、4号機の仮処分裁判について『(関西電力が)上級審で逆転勝訴した場合、(申し立てた住民への)損害賠償請求は検討の対象になりうる』と発言しており、原告の方々の勇気ある行動に敬意を表します。」とウルリッチは訴えました。

グリーンピースは、本訴訟への認知を高め、応援する声を全国から集めることを目的に、この横断幕を制作しました。日本の過半数の人々が、福島第一原発事故が始まって5年を経た今も、原発に反対しています。

なお、高浜原発3、4号機は、安全性に関する関電の証明は不十分とした大津地裁の運転差し止め命令により、運転を中止しています。7月12日に、関西電力による異議が退けられ、今後上級審で決定が覆されない限り、運転を再開することはできません。