グリーンピース声明: 厚生労働省によるネオニコチノイド系農薬の食品残留基準緩和決定に抗議 4 食品の残留基準緩和、トウモロコシは現行の10倍以上 ーー「子ども・ミツバチ保護法を求める署名」23,655筆提出へ

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは本日、厚生労働省によるネオニコチノイド系農薬チアメトキサムの食品残留基準の緩和決定を受け、農薬使用に歯止めのない政策に抗議する下記の声明を発表しました。今回の食品残留基準緩和は全4食品(トウモロコシ、玉ねぎ、アボカド、トマト・ピーマン・なす以外のなす科野菜)に適用され、例えばトウモロコシでは現行の0.05ppmから0.7ppmと10倍以上に引き上げられました(注)。

グリーンピース・ジャパン食と農業担当 関根彩子
「今回緩和が行われたチアメトキサムは、欧州連合ではミツバチへの影響を考慮する予防原則の立場から2013年12月より一時使用禁止となっている農薬であり、韓国でも同様に規制されています。厚生労働省は、2015年5月にネオニコチノイド系農薬2種(クロチアニジン・アセタミプリド)に関して大幅な緩和を行ったばかりです。今回は輸入目的の緩和ですが、いずれにしても厚生労働省の判断は、食の安全を望む消費者とも真逆の方向にむかっています。ミツバチなどに影響のある農薬の使用拡大が進むことは、生態系にとって大きな脅威であり、花粉媒介者の減少は食の豊かさへの危機にも直結します。」

グリーンピース・ジャパンは、厚生労働大臣宛に今月中にも、「子ども・ミツバチ保護法を求める署名」に集まった23,655の市民の声を提出し、ネオニコチノイド系農薬の規制緩和に対し抗議を行う予定です。

「子ども・ミツバチ保護法を求める署名」について

実施時期:2015年4月8日から2016年4月18日

内容:国会議員(CC:農林水産大臣と厚生労働大臣)に、食べ物の安全や子どもの健康、ミツバチなど花粉媒介生物を農薬の影響から守る法律の策定、生態系に調和した農業の価値評価・支援強化を求める。

賛同団体(25団体、順不同) 個人賛同 23,655筆:
A SEED JAPAN / 遺伝子組み換えいらないキャンペーン / 化学物質過敏症支援センター / 反農薬東京グループ / 福島「農と食」再生ネット / NPO法人秀明自然農法ネットワーク / 国際交流NGOピースボート / エイビイシイ保育園 / 宮久保幼稚園 / 調布多摩川幼稚園 / 宇都宮太陽幼稚園 / 清流みずほ幼稚園 / 日本在来種みつばちの会 / 江古田ミツバチプロジェクト / 山形新庄大豆畑トラスト / 農業生産法人なないろ畑株式会社 / 全国有機農業推進協議会 / 日本有機農業研究会 / 一般社団法人農民連食品分析センター / 緑の党 グリーンズジャパン / マガジン9 / (有)コモンズ / 全国学校給食を考える会 / Institute for Responsible Technology : IRT(米国:責任ある技術者協会)