グリーンピース、新レポート発表「ミツバチと食の危機: 世界のネオニコチノイド系農薬規制から見える日本の課題」

世界でひかれる厳しい規制、逆行する日本

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは本日、ミツバチ大量死の一因とされるネオニコチノイド系農薬の規制をめぐる世界の現状をまとめたレポート「ミツバチと食の危機ーー世界のネオニコチノイド系農薬規制から見える日本の課題」を発表しました。同レポートは、日本でも早期にネオニコチノイド系農薬の規制を実現するため、必要な情報や議論の素材を提供することを目的とし、すでにネオニコチノイド系農薬の使用を禁止した世界の国や地域が規制導入に至った経緯や根拠、そして科学的不確実性にどのように対応しているのかを調査しました。

グリーンピース・ジャパン 食と農業担当 関根彩子は「世界ではミツバチの農業・経済価値を重視し、早い段階から使用を禁止し、リスク評価を行ってきています。日本では、農林水産省が3ヵ年で行うミツバチ被害事例調査で、被害原因の中で最もネオニコチノイド系農薬の検出が高かったことを自身の調査で明らかにしています(注)。すでに農薬規制に踏み切るための条件は十分にそろっているにもかかわらず、政府はリスクを放置している状態なのです。一刻も早く、予防原則に基づき、緊急に農薬の一時的な登録停止ができるようにするなど法律の見直しが必要です。さらに、生物多様性と農業が共存する解決策として、有機農業や自然農法など『生態系農業』への支援も急務です」と訴えました。

「ミツバチと食の危機ーー世界のネオニコチノイド系農薬規制から見える日本の課題」

■まえがき

■調査の範囲

■現行のネオニコチノイド系農薬に関する政策・使用禁止

ヨーロッパ:EU、ドイツ、 フランス、イタリア、オランダ、スロベニア、オーストリア、スウェーデン、デンマーク、スイス
北米:カナダ、米国
アジア:中国、韓国
南米:ブラジル

■まとめとグリーンピースの提言

グリーンピース・ジャパンは、個人の意志や行動を結集して問題解決の大きな力としていく「ピープルパワー」を軸に、地球規模の環境問題に取り組む環境NGOです。より多くの市民と共に、農薬に頼らない安全安心な食料生産の唯一の解決策として、「生態系農業」の推進を続けていきます。