グリーンピース、高浜原発1、2号機の審査合格に「無責任」と抗議――新規制基準、老朽原発へ初の許可

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、本日20日、原子力規制委員会が関西電力高浜原発1、2号機(福井県)の新規制基準適合審査書が承認されたことを受け、抗議する声明を発表しました。運転開始から40年を超えた原発に対しての許可は初めてです。

グリーンピース・ジャパンのプログラム副部長兼エネルギープロジェクトリーダー高田久代
「反対の世論が高まるなか、再稼働に向けての一つのステップが進んだことになります。原子力規制委員会は、原子力産業の”監視役”というよりは原子力ムラの”応援団”に近い。規制委は、老朽化についての審査が行われる前に、規制基準適合審査を合格させるというのは無責任極まりなく、説明がつかない。東京電力福島第一原発事故は収束しておらず、未だに多くの被害者が苦しんでいる。原子力規制委員会の今日の判断は、さらに数百万人の市民をリスクに晒すことになるだろう」

高浜原発1、2号機は20年の運転延長許可を審査中で、今年7月7日までに認可が得られなければ廃炉となる予定ですが、老朽原発は原子炉容器などが長期に放射線を浴びたことにより劣化し、過酷事故のリスクが高まります。日本では、東京電力福島第一原発事故のあと、原発の運転期間は原則40年というルールが法制化されていますが、例外として審査に合格すれば一回限り、20年の延長が認められます。

なお、4月14日、グリーンピース・ジャパンの2人の職員を含む76人の住民が、原子力規制委員会は関西電力高浜原発1、2号機に延長許可を与えないよう求めて国を提訴しています。訴状では、新規制基準の不合理性と原子力規制委員会による新規制基準審査の瑕疵を問いています。