国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは本日11月13日、関西電力の高浜原発3、4号機仮処分に関して4回目となる「異議申し立て後の審尋」(異議審)に合わせて、福井地方裁判所の前でアピール活動を行いました。
福井地裁の差し止め決定を守るために活動している弁護団と市民に感謝と支持を表明し、福井地裁の差し止め決定の尊重を訴え、思いを同じにする全国からの応援メッセージをグリーンピースのウェブサイトで11月5日から10日まで集め、467人分のカラフルな手形で表現したメッセージバナーを、大飯・高浜運転差し止め仮処分申立人事務局等の皆さんと共に掲げました。

グリーンピース・ジャパンの関口守は、「何年間にもわたって原発再稼働に反対し、現実にそれを勝ち取ってきた市民と弁護団のみなさんを、私たちは心から応援します。そしてここに来られなくとも、福井県の人々のことを思い応援している日本中の仲間たちの声を、応援の手形という形で集めて、ここ福井地裁に持ってきました。多くの市民たちは原子力産業よりも人権が尊重されることを望んでいます。私たちは、福井地裁が、その歴史的決定を保持し続けることを通し、市民の願いと正しい決定とを保ち続けることを切望します」と訴えました。

この異議審は、同原発について本年4月の福井地裁による歴史的運転差し止め仮処分を不服とする関西電力による申し立てを受けて行われているものです。樋口英明裁判長を含め、3名の裁判官によって本年4月に決定された運転差し止め仮処分は「重大事故が起きれば、生存権を基礎とする住民らの人格権が侵害される」という訴えを尊重するものであり、以降の原発裁判にとっても重要な決定となっています。国際環境NGOグリーンピースでは、異議審の弁護団に対して、技術的または法的に関連性の深いドイツおよびアメリカでの裁判資料などを提供することを通して1この裁判を支援してきました。本日の審理の結果が公表されるのは翌月以降になるとみられています。

グリーンピースの提供した資料の主なものとしては以下のものがあります。

David Lochbaum 『環境全般の影響についての廃棄物信頼性に関するアメリカ合衆国原子力規制委員会声明における使用済み核燃料プールの漏出事故がもたらす環境リスクと安全に関する分析への批評』、2013年12月13日
(Critique of the Analysis of Safety and Environmental Risks Posed by Spent Fuel Pool Leaks in the NRC’s Draft Waste Confidence Generic Environmental Impact Statement December 13, 2013 Declaration of David Lochbaum )

Gordon R. Thompson 『環境全般の影響についての廃棄物信頼性に関するアメリカ合衆国原子力規制委員会声明についての評論』、2013年12月19日(Declaration of 19 December 2013 by Gordon R. Thompson: Comments on the US Nuclear Regulatory Commission’s Waste Confidence Generic Environmental Impact Statement, Draft Report for Comment ((September 2013)))

使用済み核燃料プールの脆弱性の問題について等を含む、ドイツにおける原発事業者の安全・保安に関するいくつかの重要な判例についての記録文書
Legal documentation on several important court rulings in Germany against nuclear plant operators based on safety and security



国際環境NGOグリーンピース・ジャパン