国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは本日、沖縄県名護市辺野古の公有水面埋め立て承認取り消しをめぐり、石井啓一国土交通相が翁長沖縄県知事による承認取り消しの効力を止める「執行停止」を決定したことに対し、強く抗議する以下の声明を出しました。
グリーンピース・ジャパン 海洋生態系担当 小松原和恵

「国の機関である沖縄防衛局が、同じく国の機関である国交相に、沖縄知事による辺野古埋め立て承認取り消しを不服として審査請求と執行停止申し立てを行い、国交相が執行停止を決定したことは、国による『基地建設ありき』の出来レースです。このような沖縄の民意を無視した非民主主義的な工事再開プロセスに強く抗議します。
また、適切な環境アセスメントも行われていないなか、市民の声をかき消そうとする政府の行為は許されません。加えて先週、沖縄防衛局が設置した『環境監視等委員会』の委員が移設事業の受注業者や受注会社の関連法人から寄付金や報酬を受けていたことが報道され、同委員会が機能していないことが明らかになりました(注)。
ジュゴンやウミガメを含む絶滅危惧種262種の棲みかでもある辺野古・大浦湾は基地ではなく、海洋保護区として未来に残すべきです。グリーンピースは、翁長沖縄県知事による辺野古埋め立て承認の取り消しを支持し、辺野古新基地建設計画とそれに伴う作業の中止を求めます」。

グリーンピースは、辺野古での新基地建設に反対する沖縄の人々や沖縄選出の国会議員の要請を受け、11月1日から約10日間「虹の戦士号」(オランダ船籍、855トン)を沖縄に派遣します。「虹の戦士号」は、地球上で起きている最も深刻な環境破壊の現場へ駆けつけ、その現状を世界に発信することを使命とするグリーンピースの船です。今回の派遣により、辺野古・大浦湾周辺の海洋環境調査や、地元市民団体へ賛同を示す活動を展開する予定です。船の派遣に加え、新基地建設に反対する沖縄の人々に声援を送る緊急オンラインキャンペーン「辺野古・大浦湾を海洋保護区に」を10月17日に開始しました。集まった声は、「虹の戦士号」に乗せて沖縄の人々と翁長沖縄県知事へ届ける予定です。


キャンペーンウェブサイト
URL: www.greenpeace.org/japan/ja/Action/HenokoBay/

注)グリーンピースは27日、NGO10団体共同で(※)中谷元防衛大臣と丸川珠代環境大臣宛に、防衛省の環境アセスメントと環境監視委員会を強く批判し、辺野古・大浦湾の埋め立て作業の中止を要請しました。※国際環境NGOグリーンピース・ジャパン、ラムサール・ネットワーク日本、国際環境NGO FoE Japan、日本自然保護協会、沖縄・生物多様性市民ネットワーク、沖縄環境ネットワーク、ジュゴン保護キャンペーンセンター、辺野古リレー、美ら海にもやんばるにも基地はいらない市民の会、ピースボート。



国際環境NGOグリーンピース・ジャパン