国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、現在ネオニコチノイド系農薬(注1)の使用規制が行われているヨーロッパで昨日、欧州食品安全委員会(EFSA)による同農薬の種子コーティングと粒剤以外の全用途に関するリスク評価(注2)が発表されたことを受け、下記の声明を発表しました。
結果によると、ネオニコチノイド系農薬の葉面散布はミツバチへ無視できない高いリスクをもたらすことが確認されました。EFSAはまた、同農薬がミツバチ以外の花粉媒介者に与える影響についての情報不足はいまだ深刻で、リスク評価の完了はさらに待たなければならないとしています。

EFSAのリスク評価に対してグリーンピース・ジャパンの食と農業問題担当 関根は「この結果は、ネオニコチノイド系農薬のミツバチなどの花粉媒介生物への影響を決定付けるもので、ヨーロッパにおける規制強化の後押しとなるでしょう。ミツバチへの悪影響を示す証拠が集まるなか、ミツバチによる花粉媒介に依存する農産物の多い日本でも、農と食の安全のため、規制へと踏み切ることを求める世論が高まっていくはずです。」と述べました。

有機農業などの生態系農業が将来最も有望かつ経済的に実現可能な農業モデルだということを示す研究も次々と出てきています(注3)。グリーンピースが今年3月4日~4月24日に関東地方の幼稚園に行った給食に関するアンケートによると、回答のあった幼稚園331件の中で、給食に有機食材を導入している園が46件、将来的に導入したいと希望する園が230件ありました。

また、グリーンピースは今年の8月までに一次集約した署名10118筆を国会議員に提出しており、今後より多くの署名を集め、国民の声を国会議員に届け、「子ども・ミツバチ保護法」づくりと、有機農業など生態系農業の推進を働きかけていきます。

注1)チアメトキサム、クロチアニジン、イミダクロプリドの3種
注2)欧州食品安全委員会(EFSA)リスク評価結果
注3)グリーンピース本部発表レポート「Ecological Farming: The seven principles of a food system that has people at its heart」
注4) ハッピーランチガイドVol.1 関東地方編 http://www.greenpeace.org/japan/ja/Action/HappyLunch/



国際環境NGOグリーンピース・ジャパン