国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、「わかりやすい電気の“原材料”表示を求める署名」を 5 月 21 日(木)より実施します。2016年4月から電力自由化が始まり、一般家庭でも地域に関係なく電力会社を選べるようになります。本署名では、消費者が電力会社を選ぶために必要な情報として、従来の電気料金や電力使用量に加え、電気の“原材料表示”とも言える発電方法を表す「電源構成」などを、全ての電力会社が分かりやすく表示するよう経済産業省、消費者庁及び電力会社等に求めるものです。電力システム改革小委員会の制度設計ワーキンググループの議論が再開される夏を視野に入れ、6月末まで実施します。




具体的には、火力、原子力、自然エネルギーなど、各電力会社の発電方法の内訳を示す「電源構成」、発電に伴う「二酸化炭素排出量」及び「放射性廃棄物量」の3点について、消費者の目に届きやすい電気料金の請求書、広告、契約書などに、全電力会社が統一されたルールのもと、分かりやすい表示が義務化されることを求めています。署名はグリーンピースのウェブサイトで実施し、提出先は経済産業省、資源エネルギー庁、消費者庁、消費者委員会、10電力会社ならびに新電力です。ソーシャルメディアなどで広く署名への参加を呼びかけると同時に、電力自由化に伴う電力会社選択の自由についても情報を発信し、消費者の選択によって、原発や二酸化炭素の排出を伴う石炭火力発電などから自然エネルギーへの転換が実現するよう後押しをしていきます。

グリーンピース・ジャパン エネルギー担当の柏木愛は「来年4月から一般家庭が自由に電力会社を選べるようになるにも関わらず、政府の議論では『どのように電力会社を選ぶか』という消費者の視点が置き去りにされています。消費者には、各社の発電方法を知った上で電力会社を選ぶ権利があります。先に自由化が進む欧州では、分かりやすい情報提供は必要不可欠とされ、ドイツでは10年前から電源構成を請求書などに表示することが電力会社に義務づけられています。日本でも消費者の視点に立ち、同様のルールを導入することを求めます」と呼びかけました。

※本署名は、電力自由化と「電気が選べること」の認知度を高めるために、ターゲット層にあわせて、2種類の署名サイトを用意しています。オンライン広告などを通じ、原発に関心の高いと思われるグリーンピースのソーシャルメディア登録者には「教えて!この電気、原発フリー?」デザインが表示されます。また、新たな取り組みとして、美容や健康に興味があると思われる30〜40代の女性向けには「Yes! 100%クリーン」デザインが表示され、野菜や果物と氷から作る飲み物のスムージーを切り口に、ブレンダー(ミキサー)の電気にも原子力や石炭火力を使わない「100%クリーン・スムージー」を提案し、電気の“原材料”への関心を高めていきます。

「わかりやすい電気の“原材料”表示を求める署名」概要
期間: 2015年5月21日(木)から6月末まで(予定)
内容: 2016年4月の電力自由化を前に、消費者が電力会社を選択するために必要な情報の表示義務化を、経済産業省、資源エネルギー庁、消費者庁、消費者委員会、10電力会社ならびに新電力に訴える。


URL: www.greenpeace.org/japan/energy-label/(原発関心層向け、上図)
URL: www.greenpeace.org/japan/lp-smoothie(美容・健康重視の女性向け)

賛同団体:eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)(注)
注)東京電力福島第一原発を契機に、脱原発と自然エネルギーを中心とした持続可能なエネルギー政策を実現させることを決意した、団体・個人の集まり。


国際環境NGOグリーンピース・ジャパン