本日、水産庁が南極海における新たな鯨類調査計画案「新南極海鯨類科学調査」を発表した(注1)件について、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン事務局長の佐藤潤一は以下のとおりコメントしました。
「国際司法裁判所が、日本の南極海における調査捕鯨の科学性は認められないと判決を言い渡してからわずか8カ月。本日発表された新たな調査計画では、非致死的な調査などを追加したことを強調しているが、従来の『捕鯨継続を主目的とした調査』という本質はなんら変わっていない。

国内だけではなく、国際社会においても、日本の捕鯨が科学的な『調査』を主目的にしたものではなく、多額の税金を使って捕鯨業界という利権をまもるための事業であることは広く知られるようになった。この計画で、日本の科学、そして日本社会全体の信頼が失われるだけではなく、貴重な税金も失われる。

現状では国内における鯨肉の需要も非常に小さく、南極海での商業捕鯨再開を目指す民間企業はすでに存在していないため、そもそも調査捕鯨を継続する理由すらなくなっている。本当に科学を重視するのであれば、この新たな捕鯨計画を撤回して、国際的な協力のもと南極における包括的な生態系調査を行うべきだ」。

注1) 南極海における新たな鯨類調査計画案「新南極海鯨類科学調査」



国際環境NGOグリーンピース・ジャパン