国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、防衛省沖縄防衛局が名護市辺野古での新基地建設に向け海底ボーリング調査のための台船海上設置作業を17日に開始したことを受けて、下記の声明を発表しました。
海底調査の着手は、辺野古への新基地建設にノーを訴える民意を無視した、民主主義を踏みにじる暴挙だ。加えて、8月15日の終戦記念日に不戦を誓わず、直後に作業を開始したことは、平和を願う沖縄県民の思いを裏切るような卑劣な行為である。基地移設問題が最大争点となる11月の沖縄県知事選をひかえ、市民からの反発が強まるのは当然だ。

辺野古への基地移設は、大規模な環境破壊である。辺野古沿岸の海は世界最北端にすむジュゴンの数少ない餌場であり、2014年5月から7月に辺野古沿岸で行われた最新の調査でも、2カ月で新たに110本以上の食み痕が記録されたことが発表された(注:「北限のジュゴン調査チーム・ザン」調査、「日本自然保護協会」考察)。この海域を海洋保護区とし、絶滅の危機に瀕しているジュゴンや、アオサンゴの大群集に象徴されるような豊かで貴重な生態系の保護を求める。

グリーンピースは、過去に2回、所有する船で辺野古周辺の現場海域を訪れ、地元の方々と海域の調査や抗議活動を行ってきた。日米両政府は環境保護の観点で絶滅危惧種とその生息環境及び生態系を持続的に、国際的に保護していくことを大前提に、地元市民や国民の声を公平に聞き入れ、新基地建設を白紙撤回するべきだ。

注)公益財団法人 日本自然保護協会「沖縄・辺野古/ジュゴンの新たな食痕、わずか2ヶ月で110本以上の記録、日本初のサンゴ礫付着成長の鍾乳石が発見されました!


国際環境NGOグリーンピース