水産庁が2014年度の南極海での調査捕鯨を中止すると4月2日に発表したことを受けて、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン事務局長の佐藤潤一は以下のとおり声明を発表しました。
「来期の南極海での調査捕鯨の中止は、日本の調査捕鯨は非科学的で違法であるとした国際司法裁判所の判決を受けての当然の結果だ。

これをきっかけに考えるべきは、調査捕鯨をめぐる一連の議論が政治的なものであって、本来必要な海洋環境とその生態系の著しい変化への対応策が置き去りにされている事実だ。

鯨類は年間約30万頭が、漁網にかかって死んでいると言われる(注)。それ以外にも、船との衝突、潜水艦のソナーの影響、餌となるオキアミの過剰漁業、海洋の酸性化、気候変動の影響によって変化する生態系の影響を強く受けている。

日本政府が科学を重視するのであれば、調査捕鯨に固執するのではなく、国際的な協力のもとでより包括的な生態系調査を南極海で行うべきだ。この分野で国際的なリーダーシップを取ることによって、海洋生態系保護における国際的な理解や協力関係を得られるだろう」。

注)「Whale Entanglement – Building a Global Response」 (International Whaling Commission)