本日11月22日、ポーランド・ワルシャワで開催中の国連気候変動枠組み条約第19回締約国会議(COP19)が閉幕します。11月21日、参加している国際環境NGOグリーンピースを含むNGO各団体は、気候変動対策への各国政府のリーダーシップの欠如に抗議し、議場から自主的に一斉退場しました。COP19では、持続可能な将来に向けて重要な一歩を踏み出すことが期待されていましたが、温室効果ガスの排出削減目標、途上国への資金援助などいずれについても、進捗は見られませんでした。今回のNGO一斉自主退場は、こう着状態への抗議を示すために実施しました。

世界各地で異常気象が発生し、多くの市民が被害を受けるなど、気候変動が市民や生態系に及ぼす影響が年々顕著になっており、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発表した最新の報告書では、気候変動が人的要因であることが明確に指摘されています。

グリーンピース・ジャパン気候変動/エネルギー担当の高田久代は、「気候変動への対策は待ったなしです。世界的な気候変動の影響をできる限り小さくするために、COPのような世界的な合意が非常に重要です。しかし、今回のCOPでは気候変動への対策に後ろ向きな政府の姿勢が相次いで見られました。その筆頭が日本です。石原環境大臣が発表した『2020年までに2005年比3.8%減』の目標は、京都議定書の第一約束期間の基準年である1990年と比較すると3.1%増となります。数字のからくりを利用した“増加”目標であり、到底受け入れられません」と訴えました。

実際に議場から自主退場した一人であるグリーンピース・インターナショナル事務局長のクミ・ナイドゥは、「日本、オーストラリア、カナダが温室効果ガス削減目標を後退させるなど、多くの参加国はリーダーシップが欠如しています。COP19での各国代表の振る舞いは、気候変動の脅威に苦しむ人々の首をさらに絞めるものです。わたしたち市民は、気候変動に対する世界的な合意を切望し、COPという国連会議の役割を信じています。自ら会議に参加できない多くの市民の声とともに、より多くの決定と成功への野心を願って、NGOは市民社会を代表して来年のCOP20に戻ってきます。各国政府も同じ姿勢とリーダーシップをもって臨むことを切に期待します」と訴えました。


国際環境NGO グリーンピース・ジャパン